今週末に見たい展覧会ベスト16。フェルメール展からソー・ソウエン展まで【3/4ページ】

「ソコからみたキセキ」(セゾン現代美術館

 長野県軽井沢町のセゾン現代美術館で、コレクション展「ソコからみたキセキ」が開催されている。会期は8月23日まで。

アンゼルム・キーファー《革命の女たち》(1992)撮影:編集部

 同館は、1981年に軽井沢で開館して以来、今年で創立45周年を迎える。美術館は2年間の休館を経て、6月26日にリニューアルオープンした。

 本展は、いつもとは違う空間に身を置き、いままでにないかたちで作品と対峙することに注目する。既成概念にとらわれず、想像力をはたらかせることで生まれる、人それぞれの歩んだ道や視点の転換、ふとした発見を紹介。展覧会がストーリーを設定するのではなく、それぞれの体験からストーリーが生み出されることを重視する。

 展示では、所蔵する約800点のコレクションから、およそ80点を展示している。出品予定作家は、靉嘔荒川修作、宇佐美圭司、門田光雅鴻池朋子菅井汲、堂本尚郎、横尾忠則マックス・エルンストルーチョ・フォンタナ、サム・フランシス、ジャスパー・ジョーンズヴァシリー・カンディンスキーアンゼルム・キーファーパウル・クレーロイ・リキテンスタインジョアン・ミロジャクソン・ポロックマン・レイマーク・ロスコほか。

会期:2026年6月26日~8月23日
会場:セゾン現代美術館
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館1時間前まで
料金:一般 3300円 / 学生 2200円

「西洋絵画400年の旅 —珠玉の東京富士美術館コレクション」(新潟県立近代美術館

 新潟県立近代美術館で「西洋絵画400年の旅 —珠玉の東京富士美術館コレクション」が開催されている。会期は8月23日まで。

クロード・モネ《睡蓮》(1908)東京富士美術館蔵 ©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

 本展は、1983年に東京都八王子市に開館し、国内外で制作された幅広い時代の絵画、彫刻、写真、陶磁器、武具など約3万点のコレクションを所蔵する東京富士美術館の作品を取り上げる。同館の西洋絵画コレクションは、16世紀のイタリア・ルネサンスから20世紀の近現代美術まで400年を超える油彩画の歴史で構成され、ルネサンスからロココ、新古典主義などのオールド・マスターの作品が含まれる。 

 会場では、同館コレクションからモネ、ルノワール、ゴッホシャガール、ティントレット、ヴァン・ダイク、クロード・ロランらの油彩画約80点を展示し、西洋絵画400年の歴史をたどる。

会期:2026年6月27日~8月23日
会場:新潟県立近代美術館
住所:新潟県長岡市千秋3-278-14
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1600円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

「アペルト21 野村由香 黄金の川」(金沢21世紀美術館

 石川県金沢市の金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルームで「アペルト21 野村由香 黄金の川」が開催されている。会期は8月23日まで。

野村由香 《黄金の川》のためのドローイング 2026 写真提供:金沢21世紀美術館

 野村由香は1994年岐阜県生まれ。2017年に金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科彫刻専攻を卒業、19年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻を修了。日常生活や社会、自然に通底している根源的な力の作用に関心を持ち、そこに流れる固有の時間を造形やインスタレーションとして表現している。

 本展では、人の営みと土地との関係性に注目し、両者に通底する根源的な力の作用や固有の時間感覚を、現場での観察や介入を通じて可視化した作品を紹介。見慣れた風景をわずかにずらしながら提示するインスタレーションを通して、知覚の在り方を問いかける。

 今回の展示にあたり野村は、金沢における砂金採りの営みに着目した。市内を流れる犀川で行われてきた砂金採りの動作にもとづき、すくって揺するという身振りから着想を得た新作インスタレーションを展示。その身振りは、川の流れに喩えられる自然のダイナミズムや土地の歴史と重なり、人と自然の営為の交差を示す。

会期:2026年4月4日~8月23日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)
料金:無料

「蒐集がアートになるとき」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで、民具ラボ・企画展「蒐集がアートになるとき」が開催されている。会期は8月23日まで。レポートはこちら

「蒐集がアートになるとき」の展示風景。手前は身体0ベース運用法(安藤隆一郎)による《木の岐のすすめ》(2026)

 秋田生まれの収集家・油谷満夫は、約70年にわたり、庶民の暮らしに関わるあらゆるものを集め続けてきた。その数は50万点を超えるとも言われ、収集物には名もなき人々の生活の痕跡や、地域に刻まれた記憶が蓄積されている。

 近年、全国の博物館や資料館では収蔵庫不足が深刻化し、民俗資料や生活資料の整理・廃棄が課題となっている。いっぽうで、何を残し、何を手放すのかを判断する基準は明確ではなく、時代や社会の変化とともに資料の価値も変化する。

 本展では、油谷の収集人生に注目するとともに、その膨大な収集物を起点に、アーティストや研究者が新たな解釈や表現を展開する。民具、美術、アーカイブという異なる領域が交差するなかで、「収集されたモノはアートになりえるのか」という問いを提示。また、保存か廃棄かという二項対立を超え、活用や再解釈を通じて資料の可能性を探り、文化資源の未来とミュージアムのあり方を取り上げている。

会期:2026年7月25日~8月23日
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
住所:京都府京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1階 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
開館時間:10:00~18:00
料金:無料

ソー・ソウエン「Air Condition」(熊本市現代美術館

 熊本市現代美術館 ギャラリー III・井手宣通記念ギャラリーで「GIII- vol.165 ソー・ソウエン『Air Condition』」が開催されている。会期は8月23日まで。レポートはこちら

ソー・ソウエン《Air Condition》(2026)ビデオ・インスタレーション、カラー、サウンド、モニター

 ソー・ソウエンは1995年福岡県北九州市生まれ。2019年に京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業。「呼吸」「お臍」「卵」など生と密接な事象から、人間の性質に迫る作品を多く手がける。絵画作品を主軸としながら、ワークショップやインスタレーション、パフォーマンスなどを国内外にて多数発表している。

 本展では、ウクライナのキーウに赴き、アーティストのマリア・クリコフスカが主宰する「Garage33 Gallery-Shelter」に集う人々と制作した「呼吸」を主題とする新作を発表。「呼吸」は、母体から切り離された瞬間に始まる生命活動であり、無数の息が溶け込んだ大気に混じり合うこと。吸いこみ/吐きだす行為によって、身体に外界を通過させながら、空気を微かに震わせて個と個の境界を撹拌するものである。

 そのように呼吸を読み替えるソウエンは、戦禍のなかで過酷な経験をかさね、Garage33に集った人々、身体を媒体に表現を続けるクリコフスカに寄り添いながら、冷たい空気を自らの体内で温め、大気に戻していく彼ら・彼女らの呼吸の音や振動に耳を澄ませる。本展を通じて、彼ら・彼女らの呼吸と来場者の呼吸が重なり、世界の風向きを変える契機となることを目指す。

会期:2026年6月20日~8月23日
会場:熊本市現代美術館 ギャラリー III・井手宣通記念ギャラリー
住所:熊本県熊本市中央区上通町2-3
開館時間:10:00~20:00 ※展覧会入場は閉館30分前まで
料金:無料