INSIGHT

バンクシーから作家不在の“非公式シリーズ”を考える。「じつは作家本人が展覧会に関与する権利はない」

作品が発表されるたびに世間の大きな注目を集める覆面アーティスト、バンクシー。有料の展覧会が世界各国で開催されているが、それらはバンクシー本人が合意していない「非公認」で「非公式」なものだ。本稿では、3回に分けてこの作家不在の“非公式シリーズ”について考える。第1回では法的な合法性や問題点について、アートと著作権問題に詳しい弁護士・木村剛大に聞いた。

2021.9.21

ベルリンのクラブカルチャーの危機を現代美術で支える「STUDIO BERLIN」の試み

クラブカルチャーが深く根づいた都市、ドイツ・ベルリンだが、新型コロナウイルスでクラブも大きな打撃を受けた。こうしたなか、ベルリンを代表するクラブである「Berghain」と、プライベート・ミュージアムである「Boros Collection」が連携した展覧会「STUDIO BERLIN」を開催。この試みをレポートする。

2021.9.20

「博物館法」はどう変わるべきか? 博物館学の専門家が問う

美術館や動物園などを含む「博物館」を規定する法律「博物館法」。その改定に関する議論が文化庁に設置された文化審議会で進められている。登録博物館制度の改革が言及された7月30日公表の「博物館法制度の今後の在り方について(審議経過報告)」を、博物館学が専門の名古屋大学大学院教授・栗田秀法が読み解く。

2021.9.17

美術館を開く/閉じるとはどういうことか? 外山恒一の展示「不可」から考える

今年3月から6月にかけて熊本市現代美術館で開催された企画展「段々降りてゆく 九州の地に根を張る7組の表現者」は、九州を拠点にする同時代の表現者7組を紹介する展覧会だった。しかし本展では、本来参加が予定されていた外山恒一が展示前に除外されるという事態が起こっていた。本件を起点に、参加作家のひとりである加藤笑平が美術館で展示することの意味を問う。

2021.8.28

「死との戦いのなかで生の記憶を保存」。ハンス・ウルリッヒ・オブリストがボルタンスキーを偲ぶ

7月14日に逝去したフランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキー。その制作テーマや代表的なプロジェクトについて、親交があったサーペンタイン・ギャラリーのアーティスティック・ディレクター、ハンス・ウルリッヒ・オブリストが振り返る。※本稿は7月22日に「FRIEZE」にて初めて公開された。

2021.8.21

李禹煥の思索を収めた一冊から、「葬い」をめぐる対話まで。『美術手帖』8月号新着ブックリスト(2)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。「もの派」の代表的な作家・李禹煥の思索を収めた『両義の表現』から、研究者とアーティストによる死や「葬い」をめぐる討論を記録した『葬いとカメラ』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

2021.8.3

宇佐美圭司展の図録から、多木浩二が見た未来派まで。『美術手帖』8月号新着ブックリスト(1)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。待望の宇佐美圭司回顧展「よみがえる画家」のカタログから、多木浩二が未来派を検証する『未来派 百年後を羨望した芸術家たち』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

2021.8.3

未来のアートと倫理から、「ファッション」とは何かを問う一冊まで。『美術手帖』6月号新着ブックリスト(2)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。アートに関する倫理について専門家たちによる現場の声を集めた実践的な一冊『未来のアートと倫理のために』から、「ファッション」を語るための原理的な問いに答える『言葉と衣服』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

2021.6.18

企業による芸術支援から、「テレビジョン」の想像力まで。『美術手帖』6月号新着ブックリスト(1)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。明治以後の企業人による芸術支援を概観する『企業と美術』から、ニューメディアとしての「テレビジョン」がアートに与えた影響を探る『虚像培養芸術論』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

2021.6.17

都内で予定の「表現の不自由展」にまた妨害──憲法によって言えること・言えないこと

6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催予定だった企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」が、会場での妨害行為などによって会場変更を余儀なくされた。表現の自由をも揺るがすこの状況を受け、いま何がなされるべきか? 武蔵野美術大学教授で憲法研究者の志田陽子が論じる。

2021.6.14

論考:観ることのできない歴史的資料をめぐって──戦争体験者証言映像と東京都平和記念館(仮)計画から考える

今年3月、東京都が保管する戦争体験者の証言ビデオが、20年以上にわたって活用されず封印状態にあることが報道された。戦争の資料をどう公開し、伝えていくべきなのか。資料や人々との対話をもとに、戦争や災害の歴史と記憶に向き合い作品を発表してきたアーティスト・藤井光による寄稿。

2021.6.12

美術史上最悪の未解決事件。被害総額5億ドルの「ガードナー美術館盗難事件」とは何か?

ボストンにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館は、そのコレクションとともに、1990年に起こった大規模な盗難事件でも知られている。この事件は多くの関心と憶測を呼び、最近ではNetflixのドキュメンタリー「ガードナー美術館盗難事件 消えた5億ドルの至宝」で取り上げられた。本稿では同美術館の成り立ちと事件について振り返る。

2021.5.23