今週末に見たい展覧会ベスト16。フェルメール展からソー・ソウエン展まで【2/4ページ】

「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」(国⽴アイヌ⺠族博物館)

 北海道白老郡の国⽴アイヌ⺠族博物館で、第11回特別展示「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」が開催されている。会期は8月23日まで。

 本展では、1872年の湯島聖堂博覧会に初めてアイヌ資料が出品されてから、2025年の大阪・関西万博に至るまでの、およそ150年にわたってアイヌ民族がいかに博覧会と関わりをもってきたのかを紹介するもの。

 明治以降、日本国内外で開催された数々の博覧会におけるアイヌ展示は悲しい歴史として伝えられているいっぽうで、時代を経るごとに主体的に参加するアイヌ民族も出てくるなど、博覧会そのもののあり方も変化してきた。本展は、博覧会と関わりを持った一人ひとりの「声」に焦点をあて、喜びや悲しみ、経験と記憶、さらには時の情勢やそこに関わった人たちの差別心や優越感を含んだまなざしや力学を丁寧に解きほぐしていくことによって、個人にとっての博覧会がいかなるものであったかに迫る。

会期:2026年6月20日~8月23日
会場:国⽴アイヌ⺠族博物館
住所:北海道白老郡白老町若草町2丁目3
開館時間:9:00~18:00
料金:大人 1200円 / 高校生 600円 / 中学生以下 無料

「小林徳三郎」(岩手県立美術館)

 岩手県立美術館で「小林徳三郎」が開催されている。会期は8月23日まで。

小林徳三郎《金魚を見る子供》(1928)東京国立近代美術館

 現在の広島県福山市に生まれた小林徳三郎(1884〜1949)は、大正期から1940年代にかけて活躍した洋画家。東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業後、先駆的な絵画表現を目指すフュウザン会(ヒュウザン会)に参加。その後は書籍や雑誌の挿絵や装幀、劇団「芸術座」の舞台装飾など、多彩な仕事に携わる。1923年に春陽会に活動の場を移してからは、鰯や鯵などを主題とした絵画で「鰯の徳さん」と呼ばれて一躍注目されるようになり、後年はマティスを思わせる明るい色彩で、家族や身近な自然をモチーフに、何気ない日常の一場面を描いた。

 本展では、300点の作品と資料により、多方面にわたる小林の創作活動を紹介。また、本展覧会には、小林と関わりの深い画家のひとりとして、岩手出身の萬鐵五郎(1885〜1927)も登場する。本展では参考展示として館所蔵の萬作品や関連資料を併せて紹介し、ふたりの交流関係にも改めて注目している。

会期:2026年6月20日~8月23日
会場:岩手県立美術館
住所:岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
開館時間:9:30~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 高校生・学生 700円 / 小中学生 500円

「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」(いわき市立美術館

 福島県のいわき市立美術館で「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」が開催されている。会期は8月23日まで。

[べルサ]装飾、[LL]モデル / ディナーセット 1957 / モデル 1960 / 装飾 リンドベリ家コレクション ©Stig Lindberg Photo :Per Myrehed

 スティグ・リンドベリ(1916〜82)は、スウェーデンの陶芸家兼デザイナー。1937年にスウェーデンのグスタフスベリ磁器工房に入社し、〈ベルサ〉シリーズをはじめとする数多くのプロダクトを手がけた。機能性や調和、美を追求し、独創的なアイデアをもとに新たな表現方法へ挑戦し続けたデザインは現在も高く評価され、没後40年以上を経たいまも多くの人々に親しまれている。

 本展では、日本でもよく知られる食器や皿などのテーブルウェアに加え、ファイアンス(錫釉陶器)や一点もののアートピース、テキスタイル、絵本の挿絵、スケッチ、日本との関わりを示す作品など、初期から晩年までの作品を展示。北欧デザインのパイオニアとして活躍したリンドベリの魅力を網羅的に紹介する内容となっている。

会期:2026年6月27日~8月23日
会場:いわき市立美術館
住所:福島県いわき市平字堂根町4-4
開館時間:9:30~17:00(7・8月の金は〜20:00) ※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1200円 / 高校・高専・大学生 600円 / 小学・中学生 400円 / 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方 無料

中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」(山梨県立美術館

 山梨県立美術館で「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が開催されている。会期は8月23日まで。

中西夏之《中央の速い白 XIII》(1990)千葉市美術館 ©NATSUYUKI NAKANISHI

 中西夏之(1935~2016)は東京都生まれ。戦後日本を代表する現代美術家。高松次郎および赤瀬川原平とともに前衛美術家集団「ハイレッド・センター」で活動し、土方巽らとの舞踏での協働を経て、1960年代後半からは独自の思考にもとづいた数々の絵画連作を制作。90年から2007年まで山梨県大月市にアトリエを構えた。

 本展は、中西の没後初となる大規模な個展だ。中西が絵画の在りようについて残した言葉「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」を道しるべに作品を紹介。また、山梨とゆかりのある中西を、山梨県立美術館では初めて大きく取り上げる機会となっている。

会期:2026年7月4日~8月23日
会場:山梨県立美術館
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
開館時間:9:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下、障害者手帳をご提示の方とその介護者 無料