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「蒐集がアートになるとき」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)レポート。「民具」はいかにして現代美術と交差するのか

京都にある京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで、民具ラボによる企画展「蒐集がアートになるとき」が開催されている。会期は8月23日まで。会場の様子をレポートする。

文・撮影=三澤麦(編集部)

「蒐集がアートになるとき」の展示風景。手前は身体0ベース運用法(安藤隆一郎)による《木の岐のすすめ》(2026)

 京都にある京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで、民具ラボによる企画展「蒐集がアートになるとき」が開催されている。会期は8月23日まで。

 NPO法人アーツセンターあきたによる「民具ラボ」(民具とアートとアーカイブの研究所)は、研究者や表現者、ボランティアらが集い、ネットワーク型で研究に取り組むプロジェクト。その活動のひとつとして2024年に始動したのが、「1/1000 油谷コレクション」の立ち上げだ。秋田市在住の蒐集家・油谷満夫(1934〜)が築いた膨大な収集品の「分類整理」、そして新たな活用方法の模索を続けている。

 油谷は70年以上にわたり古い生活用品などを集め、じつに50万点におよぶコレクションを形成してきた。秋田の地で蒐集と公開を精力的に行ってきたほか、2012年には「特定非営利活動法人 油谷これくしょん」を設立。現在も同市を拠点に資料の整理・保存に取り組んでいる。

 コレクションは、かつて秋田で使われていた農具から現代の玩具までと多岐にわたる。しかし、民具ラボの活動に携わる國政サトシ、岩根裕子によると、これまでの取り上げられ方は「昭和レトロ」というひと言の文脈で完結してしまいがちであったという。

「蒐集がアートになるとき」の展示風景

 本展は、油谷の蒐集人生にスポットを当てるとともに、その膨大な「もの」たちを起点にアーティストや研究者が介入。民具と美術、そしてアーカイブが交差する新たな場を立ち上げる試みだ。民俗資料は当時の暮らしを知る「生の資料」としての価値を持ついっぽうで、昨今はミュージアムの収蔵庫ひっ迫や資料の廃棄問題が各地で浮上している。そうした時代において、この膨大なコレクションが個人の情熱によって秋田に残されている意味は大きい。集められた「もの」たちは、美術の視点と出会うことでどのような新しい価値を生み出すのだろうか。