今週末に見たい展覧会ベスト16。フェルメール展からソー・ソウエン展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

ヨハネス・フェルメール《ディアナとニンフたち》(1653-54頃)キャンバスに油彩 97.8×104.6cm マウリッツハイス美術館

もうすぐ閉幕

「元禄!師宣劇場十二ヶ月風俗図巻大公開」(静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

 東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で「元禄!師宣劇場十二ヶ月風俗図巻大公開」が開催されている。会期は 8月23日まで。レポートはこちら

菱川師宣《十二ヶ月風俗図巻》(江戸時代、1692〜93頃)より「四月 灌仏会(花祭り)と藤花の宴」。藤棚の下で宴が開かれており、主席に連れ込まれようとする人物も

 菱川師宣(?~1694)は安房国保田村(千葉県鋸南町)の縫箔師・菱川吉左衛門の長男。通称は吉兵衛、薙髪して友竹と名乗った。若くして江戸へ出て、寛文年間(1661~73)興隆期の大衆出版界にデビューした。土佐派系の町絵師の流れを基調とし、漢画系の諸派をも吸収して新様式を確立。

 木版画では100種以上の絵本・挿絵本、50種以上の艶本のほか、枕絵・名所絵・浄瑠璃絵の組物を制作し、画巻・屛風・軸物など肉筆画も描いた。師宣は、庶民が主役の庶民のための憂き世(浮世)の絵を描いた浮世絵の始祖であり、江戸の二大悪所である芝居町や遊里を紹介した墨摺りの版画、絵本、芝居番付のほか、人間模様を活写した肉筆画を多数残す。

 本展では、所蔵する絹本着色「十二ヶ月風俗図巻」二巻が展示されている。本作は、雛祭りや端午の節句、花見、藤見での酒宴で酩酊する人、盆踊りで踊り狂う人々など、師宣が創りだした元禄イメージを提示。また、師宣の肉筆画を中心に、元禄の絵師・英一蝶(1652~1724)、および師宣を継承した宮川長春(1682~1752)ら宮川派の系譜をたどりつつ、江戸後期の師宣リバイバルまでを紹介する内容となっている。

会期:2026年6月27日~8月23日(会期中展示替えあり)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1−1 明治生命館1階
開館時間:10:00~17:00(8月21日、22日は〜19:00)(入館は閉館30分前まで)
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下 無料

「アニマル&モンスター かわいい・怖い・ちょっと変」(太田記念美術館

 東京・神宮前の太田記念美術館で「アニマル&モンスター かわいい・怖い・ちょっと変」が開催されている。会期は8月23日まで。

歌川国芳《五十三駅 岡崎》後期展示

 浮世絵には様々な動物や妖怪が登場する。ペットとして可愛がられているネコやイヌもいれば、不気味で恐ろしい姿をした鬼や土蜘蛛もいる。さらに、擬人化された動物たちや、奇妙なかたちをしたユーモラスなキャラクターまで、その描かれ方はじつに様々だ。

 本展では、可愛くてユーモラスな人気の作品から、新収蔵品として今回が初公開となる作品まで、140点の作品を紹介。前後期で全点展示替えを行い「かわいい」「怖い」「ちょっと変」をキーワードに、浮世絵に描かれたアニマル&モンスターたちの世界を展観する。

会期:[前期]2026年6月23日~7月20日、[後期]2026年7月25日~8月23日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
開館時間:10:30~17:30 ※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下 無料

「洋館 明治の夢と挑戦」(東京都江戸東京博物館

 東京都江戸東京博物館で、江戸東京博物館リニューアル記念特別展「洋館 明治の夢と挑戦」が開催されている。会期は8月23日まで。

展示風景より

 明治時代に入ると、新政府の欧化政策の要として、また新たな時代の象徴として、日本における洋風建築の需要が高まりをみせる。はじめは西洋建築の知識や経験が乏しく、日本には「建築家」という職業もまだ根を下ろしていなかったが、西洋技術の積極的な習得により、明治時代後期には日本人建築家の設計による本格的な西洋建築が出現するまでに変貌を遂げた。

 本展は、急速に展開・普及した明治期の東京の洋風建築について、その受容から本格的西洋建築の成立までの様子を取り上げる。大工棟梁による「擬洋風建築」、外国人技術者による非本格的洋館や外国人建築家たちの手がけた本格的西洋建築、工部大学校卒業生等の挑戦、そして皇族や上流階級のための大邸宅に至るまで、日本の建築史上稀にみるこの大変革の時代の多彩な成果を紹介。また、国宝・重要文化財や日本初公開資料、そして立体的な空間演出によって当時の人々が感じた驚きそのものを再現している。

会期:2026年6月23日~8月23日
会場:東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1
開館時間:9:30~17:30(土〜19:30、8月21日は〜21:00) ※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1600円 / 大生・専門学校生 1280円 / 65歳以上 800円 / 高校生以下 無料

「世紀末パリの煌めき ―OGATAコレクションにみるミュシャ、シェレ、ロートレック」(茅ヶ崎市美術館

 神奈川県の茅ヶ崎市美術館で「世紀末パリの煌めき ―OGATAコレクションにみるミュシャ、シェレ、ロートレック」が開催されている。会期は8月23日まで。

アルフォンス・ミュシャ《ジョブ》(1896)OGATAコレクション

 19世紀末、パリは「ベル・エポック(美しき時代)」と呼ばれる文化の黄金期を迎え、美術、舞台芸術、音楽、文学など多彩な文化や芸術が花開き、市井の人々と芸術とが近づいた時代と言える。そのなかで、装飾芸術、特に流麗な曲線や植物文様を特徴とするアール・ヌーヴォー様式が台頭した。1900年のパリ万国博覧会は、それを象徴する出来事であった。また、産業革命により印刷技術も飛躍的な進歩を遂げ、街には色鮮やかなポスターが掲げられるようになった。

 とりわけ、アルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)は優美な女性像とアール・ヌーヴォー様式の装飾を融合させたポスターを生み出し、パリの街を彩った。ポスターは広告でありながらも芸術の新たな表現領域を切り拓いた。

 本展では、OGATAコレクションより、ミュシャやジュール・シェレ(1836〜1932)、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)をはじめとするポスター芸術の礎を築いた巨匠たちの作品が紹介されている。

会期:2026年6月17日~8月23日
会場:茅ヶ崎市美術館
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 大学生 1000円 / 高校生以下 無料