時代を超えて多くの人々を惹きつける、ヨハネス・フェルメール(1632〜75)の作品群。このたび大阪中之島美術館で開催される「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」(8月21日〜9月27日)でも、事前チケットが早々に完売するなど非常に高い関心を集めている。展覧会へ足を運ぶのが難しい方や、鑑賞前にしっかり理解を深めておきたいと考えている読者も多いはずだ。
そこで本稿では、これまで多く語られてきたフェルメールの「光の描写」や「モチーフの選択」とは異なる視点から、図学を研究している佐藤紀子にお話をうかがった。フェルメールが画面の中に仕掛けた空間の裏側を読み解く予習ガイドをお届けする。
「図学」とは? 絵画を「図法」で読み解く面白さ
本来、人間は目の前の3次元世界をそのまま他人と共有することはできない。それを共有するために、平面の上に「約束事」として3次元世界を置き換え、洗練させてきた営みの総体が「図学」である。つまり図学とは、人間が「ものの見方」そのものを構築してきた歴史にほかならない。





















