2018年展覧会ベスト3 (キュレーター・服部浩之)

数多く開催された2018年の展覧会のなかから、6名の有識者にそれぞれもっとも印象に残った、あるいは重要だと思う展覧会を3つ選んでもらった。今回はインディペンデント・キュレーターの服部浩之編をお届けする。

INSIGHT

ペロタン東京で「ブロックヘッド・スタックス」をチェック。エディ・マルティネズ、日本初個展の見どころとは?

1977年生まれの独学のアーティスト、エディ・マルティネズの日本初個展「Blockhead Stacks」が、12月20日よりペロタン東京で開催されている。本展では、マルティネズの作品に繰り返し見られるスカルのモチーフを探索した一連のペインティングやドローイングが並ぶ。会期は2019年1月23日まで。

NEWS / EXHIBITION

性玩具が横断する肉体、自然、キャラクター、歴史。沢山遼評 山本渉「欲望の形 /Desired Forms(2012-2017)」展

「オナホール」と呼ばれる男性用性玩具の内側の空洞部分を、石膏により採型した立体物を撮影することで、欲望の可視化を試みてきた山本渉。それらのモノクロ等身大プリントと、性玩具のパッケージに描かれるキャラクターを石膏像にプロジェクションした様子を収めたカラープリントを展示した個展が、東京・新宿のユミコチバアソシエイツで12月22日まで開催された。「オナホールの穴から覗くこの10年間の停滞と進展のイメージを目の当たりにしてほしい」と作家が語る本展を、美術批評家の沢山遼がレビューする。

REVIEW

美と知の「還元」空間。森岡書店・森岡督行が見た「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」

東京・銀座の資生堂ギャラリーでは2018年10月19日から2019年3月17日にかけて、2期にわたる開廊100周年記念展「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」が開催されている。銀座という場所で100年続いてきた同ギャラリーのエッセンスが凝縮された本展を、同じく銀座で森岡書店を営む森岡督行が振り返る。

REVIEW / PROMOTION

東京でいま、何が可能か。 田中功起、小泉明郎ら国内外の12組が参加する「シアターコモンズ'19」に注目

日常生活や都市空間の中で演劇的な発想を活用することで、「来たるべき劇場/演劇」のかたちを提示することを目指してきた「シアターコモンズ」。2019年は、東京都港区内で演劇公演に加えてレクチャー・パフォーマンス、ワークショップなどが3週間にわたり開催される。日時は2019年1月19日、20日、2月22日〜3月13日。

NEWS / HEADLINE

ヒトラーによる美術品略奪の歴史を紐解く。映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』が2019年4月に公開

1933年から45年にかけてヨーロッパ各地で約60万点もの美術品を略奪したナチス・ドイツ。ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品がたどった闇の美術史に迫るドキュメンタリー映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』が2019年4月19日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開されることが決定した。

NEWS / HEADLINE

5人のアーティストが見せる「パラランドスケープ」とは? 拡張する「風景」に向き合う展覧会が三重県立美術館で開催

三重県立美術館で、注目のアーティストによる作品を「風景」を手がかりに紹介する展覧会「パランドスケープ “風景”をめぐる想像力の現在」が開催される。伊藤千帆、稲垣美侑、尾野訓大、徳重道朗、藤原康博の5名が参加する本展の会期は、2019年1月4日〜3月24日。

NEWS / EXHIBITION

仮想空間の中の彫刻たち。 平田尚也がガーディアン・ガーデンで見せる「不完全な監獄」とは

インターネット上の3Dデータを仮想空間で立体彫刻を作るように組み立てた作品《“Demon” “Space Ship” “Royal Drive”》で、第18回グラフィック「1_WALL」のグランプリを受賞した平田尚也。その受賞から約1年後にあたる2019年1月8日〜25日、東京・銀座のガーディアン・ガーデンにて個展「不完全な監獄」を行う。

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