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2019.4.16

「ディオール展」から女性にフォーカスしたグループ展まで。ゴールデンウィークに海外で見るべき展覧会【ロンドン編】

今年10日間となるゴールデンウィークの長期休暇中には、海外へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。海外で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を都市ごとに5つずつピックアップ!第2弾はロンドン編。

「Christian Dior: Designer of Dreams」の展示風景 © ADRIEN DIRAND
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「Christian Dior: Designer of Dreams」 (ヴィクトリア&アルバート博物館)

展示風景より、「The Garden」セクション © ADRIEN DIRAND

 1946年、クチュールメゾン「ディオール」を創設したクリスチャン・ディオール。そのメゾン創設70周年を記念した展覧会「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展が、2017年にパリの装飾美術館で開催され、大きな話題を呼んだ。今年、内容を刷新した同展が、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)に巡回して7月14日まで開催されている。

 世界中の古美術や美術品だけではなく、服飾史、デザイン史分野のコレクションにおいても世界最大規模を誇るV&A。本展では、2017年に開催された展覧会で網羅的に紹介されたクリスチャン・ディオールの幼少期からクチュリエとして成功を収めるまで、そしてディオールの後を継いだイヴ・サンローランら後世のアーティスティック・ディレクターたちの仕事のほか、ロンドン博物館から貸し出された、マーガレット王女が21歳の誕生日の祝賀会で着用したドレスなどが鑑賞できる。

会期:2019年2月2日〜7月14日
会場:ヴィクトリア&アルバート博物館
住所:Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL
電話番号:+44 20 7942 2000 
開館時間:10:00〜17:45(金〜22:00)※展示室は閉館時間より15分早く閉室 
休館日:12月24日〜26日
料金:£20〜£24

 

「Elizabethan Treasures: Miniatures by Hilliard and Oliver」 (ナショナル・ポートレート・ギャラリー)

左から、ニコラス・ヒリアード《Elizabeth》(1572)、《Sir Walter Ralegh》(1585)

 イギリスのエリザベス朝(1558〜1603)とジャコビアン時代(1603〜1625)のミニチュア肖像画にフォーカスした展覧会「Elizabethan Treasures: Miniatures by Hilliard and Oliver」が、5月19日までナショナル・ポートレート・ギャラリーで行われている。

 エリザベス朝のもっとも代表的なアーティストのふたり、ニコラス・ヒリアード(1547〜1619)とアイザック・オリバー(1565〜1617)。そのふたりの作品を体験できる本展では、ナショナル・ポートレート・ギャラリー、ヴィクトリア&アルバート博物館、ロイヤル・コレクションなど主要な公的および私的なコレクションから集めた、30年以上に公開されていない肖像画や新しく発見された作品を紹介している。

 本展のキュレーターを務めたキャサリン・マクロードは、次のようにコメントしている。「これらのミニチュア肖像画はアーティストの驚くべき技術的な能力を示すだけでなく、その時代のもっとも独特で魅力的な宮廷生活の側面——虚飾の秘密、優雅な愛のゲーム、難解なシンボリズム、複雑さと装飾への愛を、独特の方法で表現しています」。

会期:2019年2月21日〜5月19日
会場:ナショナル・ポートレート・ギャラリー
住所:St Martin’s Place, London, WC2H 0HE
電話番号:+44 20 7306 0055
開館時間:10:00〜18:00(金〜21:00) ※入館は閉館の1時間前まで
休館日:無休
料金:£10

 

「The Renaissance Nude」 (ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ)

アーニョロ・ブロンズィーノ 聖セバスティアヌス 1533 パネルに油彩 87 x 76.5 cm

 ルネサンス期のヌード絵画やドローイングにフォーカスする展覧会「The Renaissance Nude」が、6月2日までロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで行われている。

 ヨーロッパの様々な地域から約90点の作品が集まる本展では、ミケランジェロ、ラファエロ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどのルネサンス期の巨匠によって描かれたヌード絵画や彫刻、ドローイングを紹介。ヌードの発展を考察し、ヒューマニズムなどの新しい芸術的態度や精神的信念がいかにヌードの外観、意味および受容をかたちづくったかを探るという。

 また、ジル・バークとスティーブン・J・キャンベル、トーマス・クレンによって編集された完全図解のカタログも販売されている。

会期:2019年3月3日〜6月2日
会場:ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ
住所:Burlington House, Piccadilly, Mayfair, London
電話番号:+44 20 7300 8000
開館時間:10:00〜18:00(金〜22:00)
休館日:会期中無休
料金:詳細はウェブサイト参照

 

「Sorolla: Spanish Master of Light」 (ナショナル・ギャラリー)

ホアキン・ソローリャ・イ・バスティダ The Return from Fishing 1894
キャンバスに油彩 265 × 403.5 cm
Paris, musée d'Orsay
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt

 スペインの印象派画家として知られているホアキン・ソローリャ・イ・バスティダ(1863〜1923)。そのソローリャのイギリスでの110年以上ぶりの大規模な展覧会「Sorolla: Spanish Master of Light」が、7月7日までナショナル・ギャラリーで鑑賞できる。

 本展では、ソローリャの代表的なポートレートやスペインのライフシーンに加え、ランドスケープや庭園の景色、ビーチシーンが描かれた60点の作品が展示。また《The Return from Fishing》(1894、オルセー美術館蔵)をはじめ、社会問題に取り組んで最初に国際的な評判を得た作品群もイギリスで初めて紹介されている。

会期:2019年3月18日〜7月7日
会場:ナショナル・ギャラリー
住所:Trafalgar Square, Charing Cross, London WC2N 5DN
電話番号:+44 20 7747 2885
開館時間:10:00〜18:00(金〜21:00) ※入館は閉館の1時間前まで。金曜日は45分前まで
休館日:無休
料金:一般 £10 / メンバー・12歳以下無料

 

「Sixty Years」 (テート・ブリテン)

サラ・ルーカス Pauline Bunny 1997 © Sarah Lucas

 過去60年間の重要な女性アーティストを特集した展覧会「Sixty Years」が、4月22日よりロンドンを代表する美術館であるテート・ブリテンでスタートする。モナ・ハトゥムやサラ・ルーカス、ブリジット・ライリーなどのアーティストによる約60作品が、初めて一堂に会する。

 本展では、1960年代から現在までのイギリスのアートシーンおよび女性アーティストの動向を示し、絵画や写真、彫刻、ドローイング、映画を扱う様々な世代のアーティストたちによる多彩な作品を展示する。

 また、テート・モダンで行われているドロテア・タニング(〜6月9日)やジェニー・ホルツァー(〜7月7日)などの女性アーティストの個展もあわせてチェックしたい。

会期:2019年4月22日〜
会場:テート・ブリテン
住所:Millbank, London SW1P 4RG
電話番号:+44 20 7887 8888
開館時間:10:00〜18:00
休館日:無休
料金:無料