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ジェンダー問題から中国のポップ・アートまで。ゴールデンウィークに海外で見るべき展覧会【香港編】

今年10日間となるゴールデンウィークの長期休暇中には、海外へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。海外で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を都市ごとに5つずつピックアップ!第1弾は香港編。

「XU ZHEN® The Glorious」展示風景 Photo by Ringo Cheung Courtesy the Artist and Perrotin

「Performing Society: The Violence of Gender」 (大館)

ラファエラ・フォーゲル Uterusland(一部) 2017 Courtesy: BQ, Berlin & Raphaela Vogel 

 身体や性別、セクシュアリティなどの問題における構造的暴力に注目した展覧会「パフォーミング社会:ジェンダーの暴力(Performing Society: The Violence of Gender)」が、「大館(タイクン)」で4月28日まで開催されている。

 構造的暴力とは、行為主体が不明確であり、間接的・潜在的にふりかかる暴力の形態のこと。ドイツのフランクフルト現代美術館が企画した本展は、「構造的暴力」の概念を解明しながら、ジェンダーに対する暴力の性質を探るもの。

 本展のキュレーター、スザンヌ・プフェッファーは本展について、「本展の出展作家は、ファンタジー、ユーモア、そして痛みを用いて、作品の限界を超えて様々なイメージを生み出すことを可能にします」とコメントしている。

会期:2019年2月16日〜4月28日
会場:大館
住所:10 Hollywood Rd, Central, Hong Kong
電話番号:+852 3559 2600
開館時間:11:00〜19:00(金〜21:00)
休館日:会期中無休
料金:無料

 

「Neo Rauch: Propaganda」 (デイヴィッド・ツヴィルナー)

ネオ・ラオホ Kap 2018 キャンバスに油彩 300 x 250 cm
Photo by Uwe Walter © Neo Rauch / VG Bild-Kunst, Bonn Courtesy of the artist and David Zwirner

 ドイツ人のアーティスト、ネオ・ラオホによるアジアでの初個展「Propaganda」が、デイヴィッド・ツヴィルナーで5月4日まで開催されている。

 象徴的な絵画とシュールレアリズムを新しい表現に融合させることで知られているラオホ。本展では、8点の大作を含む15点の絵画新作が紹介されており、それらの作品は、具象表現、夢のようなイメージ、そしてビジュアルアートにおける意味の曖昧な性質への探求を続けながら、アーティストの実践における新たな方向性を示している。

 また本展にあわせて、ラオホの作品からインスピレーションを受けたドイツの小説家であるダニエル・ケールマンの短編小説を収録したカタログも販売されている。

会期:2019年3月26日〜5月4日
会場:デイヴィッド・ツヴィルナー
住所:5–6/F, H Queen’s, 80 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号:+852 2119 5900
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月
料金:無料

 

「Louise Bourgeois: My Own Voice Wakes Me Up」 (ハウザー&ワース)

展示風景 © The Easton Foundation / VAGA at ARS, NY, courtesy The Easton Foundation and Hauser & Wirth. Photo by JJYPHOTO

 2010年に逝去したフランス出身のアーティスト、ルイーズ・ブルジョワ。その個展「My Own Voice Wakes Me Up」が、ハウザー&ワースで5月11日まで行われている。

 本展のタイトルは、ブルジョワが1951年12月に書いた『精神分析の著作』から由来するもの。70年以上にわたり、ブルジョアは、周りの世界の具体的な現実と内なる精神的な風景を融合させた作品を制作していた。

 本展では、布の彫刻や紙面作品、そしてめったに展示されていないホログラムの作品を含む、アーティストの人生の最後の20年間につくられた作品群に焦点を当てている。

会期:2019年3月26日〜5月11日
会場:ハウザー&ワース
住所:15–16/F, H Queen’s, 80 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号:+852 3958 7188
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月
料金:無料

 

「Cézanne, Morandi, and Sanyu」 (ガゴシアン)

展示風景 © Artists and Estates. Courtesy Gagosian.

 世界的に注目されている中国人アーティスト、曾梵志(ゼン・ファンジ)がキュレーターを務めた、ポール・セザンヌとジョルジョ・モランディ、常玉(サン・ユー)のグループ展「Cézanne, Morandi, and Sanyu」が、ガゴシアンで5月11日まで開催されている。

 本展について、曾は「絵は視覚的観察、つまり言葉ではなく見ることと感じることを信頼するプロセスに関係しています」とし、「視聴者がこの過程に気づくことができ、そして彼ら自身が観察を通して絵画を理解することや、その過程で彼ら自身の独特な見方を解き放つことができます」とコメントしている。

 「私の意見では、色、形、そして絵画の対象はセザンヌの作品に密接に絡み合っています。モランディは、地平線と意図的に淡い色を使用して、抽象的と具象的、幾何学的と肉体的な境界をぼかすことによって、その手法を発展させました。常玉の絵画への取り組みは、セザンヌとモランディに非常に似ています。しかし、彼の方法は本質的には東洋的であり、油を使って自分の心の中にインクを塗っています」。

会期:2019年3月26日〜5月11日
会場:ガゴシアン
住所:7/F Pedder Building 12 Pedder Street Central, Hong Kong
電話番号:+852 2151 0555
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月
料金:無料

 

「XU ZHEN® The Glorious」 (ペロタン)

徐震 Under Heaven-Gold-0102MQ1809(一部) 2016-2018 Courtesy the Artist and Perrotin

 ペロタンパリとソウルでの個展に次ぎ、ペロタン香港で中国ポップ・アートの旗手、徐震(シュー・ジェン)®の新作が集まった個展「XU ZHEN® The Glorious」が5月11日までに開催されている。

 本展では、徐震®による「Under Heaven」「Eternity」「Evolution」といった3つの代表的なシリーズから、絵画や彫刻、インスタレーションなどを紹介しており、観客に現代文化と社会的窮状を解釈するための様々な新しい観点を提供している。

 2009年に制作会社「メイドイン・カンパニー」を設立して以来、徐震®は現代の生産メカニズムを用い、グローバリゼーションと資本化の中での現代美術の苦境に取り組む、ブランドとしての作品を生み出してきた。人類の歴史を通して古典的な文明の要素を並置し、それらを衝突させることによって、日常生活における視覚的経験と流行する美術史のシンボルを生き返らせ、観客がアートの価値や文化的衝突、地政学を異なる観点から解釈することを可能にする。

会期:2019年3月25日〜5月3日
会場:ペロタン
住所:17/F 50 Connaught Road Central, Hong Kong
電話番号:+852 3758 2180
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月
料金:無料

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