募集テーマは「これからのしるし」。賞金総額540万円「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」が開催中

一般社団法人未来ものづくり振興会は、新たなプロダクトのデザインを募る「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」 を開催。5月27日まで応募を受けている。

 「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」は、シヤチハタ株式会社が1999年から10回にわたり開催してきたプロダクトデザインのコンペティションだ。2008年を最後に一旦休止をしていたが、18年に10年の年月を経て再開。「しるしの価値」をテーマに718点の応募が集まり、その中から11点が受賞作品として選ばれた。

清水邦重 自己QR(第11回グランプリ)

 そしてこのたび、12回目の「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」が開催決定。5月27日まで応募受付中だ。

 第12回のテーマは「これからのしるし」。前回の「しるしの価値」から一歩推し進めたこのテーマでは、「しるし」が持つ可能性を広げるプロダクトや仕組みを募集している。

明間大樹 世界にただひとつの印鑑(第11回準グランプリ)

 受賞作品は、グランプリ1作品(賞金300万円)、準グランプリ2作品(賞金50万円)、審査員賞5作品(賞金20万円)、 特別審査員賞2作品(賞金20万円)の計10作品となり商品化も検討されるという。

 審査員は、昨年と同じ喜多俊之、後藤陽次郎、中村勇吾、原研哉、深澤直人の5名。各審査員から応募者へのメッセージを以下に紹介する。

 AIの活用が進む今日、「これからのしるし」を考えるにあたっては、歴史を振り返ってみるのも一案ではないかと思う。印鑑の起源は古く、今から1万年近く前まで遡るとか。また動物にも、しるしをつけるという本能や習性がある。そうした人間以外の営みにも目を向けつつ、太古と未来の両軸に思いを馳せてみると、面白いものが見えてくるのではないだろうか。(喜多俊之)  近い将来、一般民間人が月に旅行するそうだが、地球も捨てたものではない。地球の美しさや人間の手の素晴らしさなどを活かすことにより、魅力あるモノはまだまだ生まれる余地があると確信している。「しるし」はアイデンティティではあるが、それだけにとどまらない。人と人をつなげ、生活を豊かに楽しくするような提案を心待ちにしている。(後藤陽次郎)  前回初めて審査員を務め、「認証システム」「アイデンティティ」「情報と物質」の3つのアプローチがあると感じた。人間関係の有り様が変わればアイデンティファイの仕方も変わるし、アイデンティティという情報を物質に置き換える時にどういう広がりを持つのか。そのあたりを突き詰めていくと、まだいかようにも掘り起こしができそうなので楽しみだ。(中村勇吾)  「これからのしるし」というテーマは、茫漠としているところに可能性があると思う。「これまでのしるし」は紙に刻印するという物質世界におけるフィジカルな手法だったが、テクノロジーは人をどんどん変えていく。そこに新しいしるしがあるとすれば、それは非物質なのか、それともやはり紙なのか。そのせめぎあいから生まれるアイデアに期待したい。(原研哉)  「しるし」とはその人の存在かもしれないし、たとえばずっと座っていたらお尻に痕がついたとか、ノートの端を折ったりするのもしるしと言えるかもしれない。つまり、人間としてのアイデンティティをしるすだけでなく、後からつけられるものと解釈することもでき、そこから発展させるといろいろなことが考えられるのではないだろうか。(深澤直人)

 応募に際して個人はもちろん、グループ、企業、団体まで、年齢、性別、職業も不問。募集要項を確認のうえ、ふるって応募してほしい。

青柳祥生 AIR SIGN(第11回準グランプリ)

編集部

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