第36回

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:追悼、小川卓一

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第36回は、尾道で私設美術館「ふりむき館」を運営してきた小川卓一を追悼する。

ペインティングは無限の情報を圧縮する。桑久保徹インタビュー

桑久保徹の公立美術館における初の個展「A Calendar for Painters without Time Sense. 12/12」が茅ヶ崎市美術館で開催されている。展示されているのは、美術史に輝く巨匠の人生を1枚の画面に表現し、12枚でつづった「カレンダーシリーズ」。制作を通じて感じたペインティングの可能性について、桑久保に聞いた。

INTERVIEW

「翻訳」に潜む摩擦や欲望をいかにとらえるか。大岩雄典評「トランスレーションズ」展

「翻訳」をコミュニケーションのデザインとしてとらえ、情報学研究の立場からドミニク・チェンが企画した本展。「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」としての翻訳の可能性を考えようとする挑戦的な内容を、物語論や言語哲学への関心を軸として制作する、アーティストの大岩雄典がレビューする。

REVIEW

クールベの描く海がテーマの展覧会がパナソニック汐留美術館で開催。モネやブーダンらの同時代作品も

19世紀フランスを代表するレアリスム(写実主義)の巨匠、ギュスターヴ・クールベが描いた海をテーマに、同時代の画家たちが描いた風景画も展観する特別展「クールベと海 ─フランス近代 自然へのまなざし」がパナソニック汐留美術館で開催される。会期は4月10日〜6月13日。

NEWS / EXHIBITION

フランソワ・ピノーの私設美術館、コロナ変異種で開館延期へ。オープニング展の設置は完了

1月23日に開館を予定していた、フランスのアートコレクターのフランソワ・ピノーによる私設美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」(Bourse de Commerce)が、新型コロナウイルス変異種の影響でふたたび開館を延期。オープニング展の設置は完了し、来場者を迎える準備はできているという。

NEWS / HEADLINE

PREMIUM

第2回

アートを買う人には2種類いる? 中野信子と山下有佳子が脳科学からアートマーケットを分析(後編)

気鋭の脳科学者であり、東京藝術大学大学院博士課程でアートを学ぶなど、美術に対する見識が広い中野信子が、アートを脳科学の視点から分析。マーケットに精通したギャラリスト・山下有佳子とともに、様々な視点からアートやアートマーケットを語り尽くす(後編)。