東京・両国に1993年に設立された、東京都江戸東京博物館。設備をはじめ施設全体の経年劣化が進んでいたことから、令和4年度から約4年の間、大規模改修工事を行っていた。そんな同館は無事改修工事を終え、2026 (令和8)年3月31日にリニューアルオープンを迎える。
今回、リニューアルオープンの空間デザインを監修したのは、世界的な建築家である重松象平。重松は、2008年よりOMAのパートナーを務めており、2022〜23年に開催された「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」(東京都現代美術館)や今年開催されたルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展(大阪中之島美術館)でも空間デザインを手がけている。
リニューアルにあたっての注目ポイントはいくつかあるが、まずは外観に着目したい。建築家・菊竹清訓が設計を手がけた同館は、その巨大なピロティや宙に浮いて見えるようなデザインが特徴的であるが、今回はその建築を生かすかたちでリニューアルがなされている。
大きな階段を上った先にある3階ひろばと呼ばれる空間は、約4000平方メートルの天井面と柱面に、収蔵品資料や東京の街の様子等をプロジェクションマッピングで投影するデザインとなる。館内の収蔵品が外に滲み出すようなイメージでつくられた。投射機部分はベンチになる予定で、人々が映像を見上げながらくつろげる空間となる。

JR両国駅からのアプローチ部分には、新たに「鳥居」を想起させるモニュメントが設置される。もとからある大階段に負けないインパクトを持たせ、入り口をわかりやすくする工夫がなされている。内側にはLEDパネルが付けられており、人々が館内に入っていく映像などが投影される予定だ(閉館間際の時間には、館外へ向かって歩く人の姿が映される予定)。都営大江戸線の両国駅側には、同館のロゴマークをあしらったオブジェが設置される。






























