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2021.1.15

アニメ『呪術廻戦』第1期オープニングに登場。巨大作品《新宿の目》とは?

コミックスのデジタル版を含む累計発行部数が2000万部を突破し、アニメ第2期の放送も始まった『呪術廻戦』。その第1期オープニングにはとある美術作品が登場していたことをご存知だろうか?

新宿西口地下広場にある《新宿の目》
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 デジタル版を含むコミックスの累計発行部数が2000万部を突破し、アニメ第2期の放送も始まるなど、『鬼滅の刃』に並び、いまもっとも話題のアニメである『呪術廻戦』。そのアニメ第1期オープニングには、とある美術作品が登場していたことをご存知だろうか?

 Eveの疾走感あるテーマソングとともに、オープニング(1分4秒の部分)で東堂葵(京都府立呪術高専3年)の背景に描かれたもの。それは《新宿の目》だ。

 この作品は、1969年に彫刻家・宮下芳子が制作したパブリック・アート。新宿西口地下広場を都庁方面へと向かう角に、その作品はある。

 当初はスバルビルのためにつくられたものだが、スバルビル解体後も作品は残され、新宿西口のアイコンとして存在し続けている。

新宿の目

 瞳の高さは3.4メートル。横幅は10メートルにもおよぶ作品の内部には照明が埋め込まれており、新宿という喧噪の中で強い存在感を放つ。

 このギラギラとした巨大な目はいったい何を表しているのか? 作者である宮下は、自身のウェブサイトで同作についてこう記している。

怪物的バイタリティを持つ新宿新都心が、現代日本の若さ、たくましさの象徴として世界に鳴りひびいている。 それは大きな大きな空問――その偉大な空間の整形を私は恐れも知らずに引き受けた。 底知れない力にみなぎっている怪物を、如何に表現したらいいのだろう…… そうだ!! 時の流れ、思想の動き、現代のあらゆるものを見つめる“目”二十一世紀に伝える歴史の“目”…もしかすると 遠く宇宙を見っめる“目”かも知れない。このような多次元の“目”こそ新都心のかなめ「スバルビル」には最 適、と思った。 ――さて、でき上ったきな十米近い大きな目玉の前に立ち、自信たっぷりにウィンクできるだろうか? (宮下芳子ウェブサイトより一部抜粋)
《新宿の目》の眼球部分

 評論家で美術家の瀧口修造は「だから眼よ、おまえは昼も、夜も、絶えず見据えていなければならぬ」(同サイトより)と《新宿の目》に対して言及している。

 つねに閉じることなく街を見つめ続けてきた巨大な「目」。これを機に、ぜひ一度実物を間近で鑑賞してほしい。

新宿の目