1月23日に開館を予定していた、フランスの実業家でアートコレクターのフランソワ・ピノーによる私設美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」(Bourse de Commerce)が、ふたたび開館を延期した。
同館は1767年に建造された元商品取引所を改修したもので、改修設計は安藤忠雄が手がけたもの。当初は2020年6月に開館を予定していたが、長引く新型コロナウイルスの影響で開館は20年秋、そして今年1月へと2度も延期。そしてイギリスで検出された新型コロナウイルス変異種の影響により、今月の開館も実現できなかった。
The Art Newspaperによると、1月7日に行われた記者会見で、フランスのジャン・カステックス首相は、美術館や博物館、映画館、劇場、スポーツセンターなど現在閉鎖中の文化施設は1月末まで閉鎖することを発表。20日には再評価を行い、これらの文化施設が2月初旬に再開できるかどうかを決定するという。
この状況を受け、すでにオープニング展の設置を完了し、来場者を迎える準備ができているブルス・ドゥ・コメルスは再度、開館延期を余儀なくされた。展覧会の詳細はまだ明らかにされていないが、ピノー・コレクションの総裁を務めるジャン・ジャック・アヤゴンは本展について、「人々がどの程度苦しんでいるか、世界全体がこのパンデミックによってどのような影響を受けているかを把握し、ピノーは、オープニング展示は私たちがいる状況と同じくらい深刻なものでなければならないと判断した」とコメントしている。