金沢21世紀美術館の館長が、今年4月で交代する方向で調整されていることがわかった。新館長には、キュレーターの長谷川祐子が就任する。
長谷川は京都大学法学部卒業、東京藝術大学大学院修了。水戸芸術館、世田谷美術館などを経て、1999年から金沢21世紀美術館の建設事務局学芸課長として携わり、2006年の開館後は学芸課長、アーティスティック・ディレクターを務めた。その後は東京都現代美術館でチーフキュレーターを務め、16年4月からは同館参事。また現在は東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の教授でもある。数多く展覧会を手がけてきたほか、これまでヴェネツィア・ビエンナーレ、シャルジャ・ビエンナーレ、モスクワ国際現代美術ビエンナーレ、上海ビエンナーレなど、国際展でのキュレーション経験も豊富。今年は「第2回タイランド・ビエンナーレ」のキュレーションにも携わるなど、海外とのコネクションも強い。
長谷川の就任予定は4月1日付。17年4月から館長を務めてきた島敦彦は3月で退任する予定だという。
金沢21世紀美術館は開館以来、蓑豊、秋元雄史、島敦彦が館長を務めており、女性館長は長谷川が初めて。17年に入館者数2000万人を達成し、開館から16年経ったいまもなお、多くの人々が押し寄せる人気美術館となっている同館を、長谷川がどのようにディレクションしていくのか。その手腕に注目が集まる。
なお近年は大規模美術館での館長人事が相次いでおり、森美術館、横浜美術館、国立新美術館でそれぞれ片岡真実、蔵屋美香、逢坂恵理子が新館長となるなど、女性が館長に就任する機運が高まっている。