
5G時代の映像論から建築短編映画のパンフレット集まで。10月号新着ブックリスト(2)
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。中山英之による建築を舞台にした短編映画のパンフレット集や現代アートと軍事を手掛かりとした高度情報社会の映像論など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。中山英之による建築を舞台にした短編映画のパンフレット集や現代アートと軍事を手掛かりとした高度情報社会の映像論など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。Chim↑Pomの最新作品集や世界で教科書としても使用される20・21世紀美術概説書の日本語訳など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

シエニーチュアン、金海生、ユササビ、小林正人によるグループ展「星座と出会い系、もしくは絵画とグループ展について」が、神奈川県相模原市のパープルームギャラリーで開催されている。本展の企画者である梅津庸一曰く、作家が属する共同体や出自に敏感すぎる昨今の展覧会づくりに対して、おおらかに出展作家を選ぶことを試みたという。会期は10月5日~14日。

あいちトリエンナーレ実行委員会が、会期内での採択を目指す「あいち宣言(プロトコル)」。その原案がトリエンナーレ参加作家らから発表され、10月6日にはこれをもとに参加型の会議が行われた。

3年に1度行われる、愛知県を主体とした国際芸術展「あいちトリエンナーレ」。4回目の今年は津田大介が芸術監督を務め、「情の時代 Taming Y / Our Passion」をテーマに約80組の作家が参加している。しかし、本トリエンナーレの一展示「表現の不自由展・その後」の中止・展示室閉鎖を受け、一部作家が抗議として展示を中止。田中功起の作品《抽象・家族》も9月3日より「再設定」(展示の変更)として、展示室内には入ることができない。《抽象・家族》とはどのような作品なのか? 愛知県美術館学芸員の中村史子が、「絵画」「普遍性」のキーワードから考察する。

あいちトリエンナーレ2019の一企画である「表現の不自由展・その後」が電凸などを受けて展示中止となったことを受け、トリエンナーレ参加作家の高山明が「Jアートコールセンター」を設立したと「あいちトリエンナーレ2019国際フォーラム」のなかで明らかにした。

東京・お台場の日本科学未来館が、地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」の新コンテンツ《未来の地層 Digging the Future》を公開した。

現在、ブームとも言える盛り上がりを見せる写実絵画。その世界を紹介する展覧会「超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵」が、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される。会期は2020年3月18日~5月11日(18〜19は臨時休館)。

2020年1月に開館する東京・京橋のアーティゾン美術館が、20年の展覧会スケジュールを公開した。5つの展覧会を開催する。

華やかで明るい色彩と軽妙な筆致の作品で、多くに人々を惹きつける画家ラウル・デュフィ。その絵画とテキスタイル・デザイン、それを用いてつくられた衣装など全152点を紹介する展覧会「ラウル・デュフィ展」が、パナソニック汐留美術館で開催されている。会期は12月15日まで。

日本を代表するアパレルメーカーのユニクロによるTシャツデザインコンペティション「UT GRAND PRIX」の15回目の作品公募が始まっている。今回は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)との協働により、世界的に著名なアーティストを特別審査員に迎えるという。募集期間は10月15日まで。

「表現の不自由展・その後」の展示再開を目前にした「あいちトリエンナーレ2019」で、同トリエンナーレ実行員会と検証員会が主催する国際フォーラム「『情の時代』における表現の自由と芸術」が愛知芸術文化センターで開催された。

10月6日までに終了する展覧会と今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

思想、美術、デザインなど多岐にわたる分野で活躍する建築家・磯崎新。建築だけでなく、キュレーションやコラボレーション・ワークなど磯崎にとって「第三空間」と言える領域に光をあて、その思考を紐解く展覧会「磯崎新の謎」展が、大分市美術館で開催されている。会期は11月24日まで。

インディペンデント・キュレーター、長谷川新による企画展「STAYTUNE/D」が、富山県砺波市のギャラリー無量で開催されている。出展作家は、aokid、池ノ内篤人、大和田俊、里見宗次、曽根裕、八幡亜樹の6名。会期は10月4日〜11月24日。

栃木県・那須塩原市の黒磯エリアで展開される「ART369プロジェクト」。その一環として、美術教育研究者・美術家の西園政史と、美術家の榊貴美からなる「S+N laboratory」がアーティスト・イン・レジデンスを行い2つの参加型プログラムを発表した。その様子をレポートでお届けする。

2019年1月、同時襲撃事件の現場でもあるパリの劇場「バタクラン」に描かれた、バンクシーの犠牲者追悼作品が何者かによって盗まれた。9月には、ポンピドゥー・センター近くの路上に残されたバンクシーのネズミの絵の盗難も発覚。バンクシー作品の価格高騰とともに、各地でそのストリートアートの盗難が相次いでいる。作品/落書き、プライベート/パブリック、違法/合法など様々な論点を有するストリートアートは、どのように守られる/守られないべきなのか? 著書『バンクシー 壊れかけた世界に愛を』を刊行した吉荒夕記が、バンクシー作品を例にストリートアートとの向き合いかたを論じる。

杉本博司が生み出した巨大施設「小田原文化財団 江之浦測候所」で、初めてとなる現代美術のプロジェクト「ティノ・セーガル@江之浦測候所 yet untitled」がスタートした。記録を残さないことで知られるティノ・セーガルは何を見せるのか?

群馬県のアーツ前橋にて、小学校教員の経験をもつアーティスト・山本高之と、同館の学芸員らが「〈美術〉を通じた学び」について議論しながら制作された「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX展」が開催された。市民も巻き込み教育と未来について考えた同展の試みについて、評論家のgnckがレビューする。

「あいちトリエンナーレ2019」では、脅迫FAXや事務局の処理能力を超えた電凸などが一因となって、「表現の不自由展・その後」が展示中止へと追い込まれた。また、SNSでは作品の一部のみが切り取られ拡散されるという状況も見られた。このような時代において、国際芸術祭や美術館はどのようなリスクヘッジを取るべきなのか? また美術館の「公共性」とはどうあるべきなのか? 「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」で委員を務めた青山学院大学客員教授・岩渕潤子に話を聞いた。