東京・お台場の日本科学未来館が、新たな常設展示として、地球を模したディスプレイ「ジオ・コスモス」のコンテンツ《未来の地層 Digging the Future》を公開した。本作は、地球の誕生から現在までを振り返り、人間が地球の歴史に何を残そうとしているのかを再考するためのもの。地球の歴史を岩石から調査する研究者や進化論の研究者とアーティストとのコラボレーションを、ラップミュージックに乗せた映像作品だ。
1950年代以降、人間は経済の発展に伴ってプラスチックやコンクリートなど自然界で簡単に分解できない物質を大量につくり出し、今日も多くの化石燃料を消費し続けている。ペットボトルやアルミ缶などは着実に堆積され、数ミリの地層として後世に残るほどの量だという。
本作で描かれるのは、46億年前から数億年後の未来まで。地球の成り立ち、生命や人類の誕生、人類が築いた文明、農耕社会、産業革命以降の人間の営みなどを横断的に見ながら、数億年後に振り返ったとき、どんなものが地層になっているか、イメージの可視化すを試みている。
本作の音楽は、領域横断的な活動を行うラッパーの環ROYと鎮座DOPENESS、そしてインドの打楽器、タブラ奏者のU-zhaanが担当。研究者による科学的な知見を咀嚼した言葉と、オリエンタルな響きを持つビートが絡み合う軽快な楽曲だ。
特撮やアニメーション、CGなど多彩な手法を用いた映像を手がけたのは映像作家の古屋蔵人、アニメーションにはたかくらかずきらも参加した。子供から大人までを惹きつける、シンプルかつエンターテインメント性に富んだ本作に注目したい。