新素材研究所が見せる「時間」。「カルティエ、時の結晶」(国立新美術館)
世界を代表するジュエリーブランド「カルティエ」。1970年代以降の作品にフォーカスし、その世界を紹介する展覧会「カルティエ、時の結晶」が10月2日、国立新美術館で開幕した。
本展の会場構成を担当したのは、杉本博司と榊田倫之による新素材研究所。「時間」を軸とした本展は、杉本による《逆行時計》(2018)からスタート。カルティエが手がけた時計を展示する円形の展示室「時の間 ミステリークロック、プリズムクロック」を中心に、「色と素材」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」の3章構成でカルティエのデザインの世界を探求する。
加えて、日本美術とジュエリーのコラボレーションや仏師による特注品のトルソーなど、新素材研究所ならではの設えにも注目。「時」をテーマとした、これまでにないカルティエ展に足を運んでみてはいかがだろうか。
会期:2019年10月2日〜12月16日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火、10月23日(ただし10月22日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
洞窟のような展示室。「イメージの洞窟 意識の源を探る」(東京都写真美術館)
古代から現代まで、様々な作品表現の源泉となってきた「洞窟」。これをモチーフに、現代写真における技法や展示手法の多様性を紹介する展覧会「イメージの洞窟 意識の源を探る」が、東京都写真美術館で10月1日にスタートした。
参加作家は北野謙、志賀理江子、フィオナ・タン、オサム・ジェームス・中川、ゲルハルト・リヒター、ジョン・ハーシェル(特別展示)。中川が沖縄の洞窟「ガマ」と向き合って制作した写真インスタレーションや、北野による乳児のフォトグラム、そしてリヒターの日本初公開作品に注目したい。
本展では、照明が落とされた暗い部屋に始まり、だんだんと明るくなっていく洞窟のような展示構成もポイント。なお同館では「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像」「TOPコレクション イメージを読む 写真の時間」も開催中のため、あわせてチェックしたい。
会期:2019年10月1日〜11月24日
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝・休日の場合は開館、翌平日休館)
料金:一般 800円 / 学生 700円 / 中学・高校生・65歳以上 600円 / 小学生以下無料
没後初の回顧展。「高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの」(東京国立近代美術館)
『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)に始まり、『火垂るの墓』(1988)や『おもひでぽろぽろ』(1991)、そして『かぐや姫の物語』(2013)を手がけ、2018年にこの世を去ったアニメーション映画監督・高畑勲。その活動を総覧する没後初の回顧展「高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの」が、東京国立近代美術館で10月6日に閉幕する。
本展では自ら絵を描かない監督として知られる高畑の演出術を、1960年代から時系列に沿って紹介。高畑直筆の企画ノートに加え、絵コンテや背景画、レイアウト、色彩設計など約1000点で、優れたアニメーターや美術監督との共同作業の様子を垣間見ることができる。加えて、ジャック・プレヴェールの詩を高畑が翻訳し、奈良美智が絵を担当した詩画集『鳥への挨拶』から、オリジナルのドローイングも展示。高畑が遺した世界観の裏側と向き合う、またとない機会である本展をお見逃しなく。
会期:2019年7月2日~10月6日
会場:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日・振替休日の場合は開館、翌日休館)
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料