2019.10.5

「移動する/できない/させられる」事態とは? 長谷川新キュレーションによる展覧会がギャラリー無量で開催

インディペンデント・キュレーター、長谷川新による企画展「STAYTUNE/D」が、富山県砺波市のギャラリー無量で開催されている。出展作家は、aokid、池ノ内篤人、大和田俊、里見宗次、曽根裕、八幡亜樹の6名。会期は10月4日〜11月24日。

八幡亜樹 jaPandesal 2013(2014) ギャラリー無量での展示風景 撮影=奥祐司
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 富山県砺波市のギャラリー無量が、インディペンデント・キュレーター長谷川新によるグループ展「STAYTUNE/D」を開催している。本展は、外部からのゲストキュレーター招聘による展覧会シリーズの第3弾。会期は10月4日~11月24日。

 本展は、移動すること・移動させられること・移動できないことは、どのようなメカニズムのもとで発生している事態なのかという、「移動」をめぐる問いの共有を試みるもの。グローバリゼーションの時代における速度管理の技術の全面化という側面や、「鑑賞する」という行為自体が、社会の変化に呼応するかたちで複雑化していることと対峙する企画が目指される。

池ノ内篤人 タイトル不詳(サイパン島) 1941

 出品作家は6名。ダンスや音楽、ゲーム、美術、食、遊びなど様々なアプローチを含んだ活動を行うaokid。音響と、生物としてのヒトの身体や知覚、環境との関わりに関心を持ちながら、電子音響作品やインスタレーションを制作する大和田俊。映像インスタレーションを生きるための思考装置としたリサーチベースの作品を手がける八幡亜樹。パフォーマンスやビデオ、彫刻、ドローイングなどを用いて多様な表現を展開する曽根裕。日本でシュルレアリスムを標榜した最初期の団体「NINI」のメンバーでもあった画家の池ノ内篤人(1910~89)。戦前戦後のパリで活動し、アール・デコを参照したデザインなどで脚光を浴びたグラフィック・デザイナーの里見宗次(1904~96)。

 戦前から活躍していた物故作家から気鋭の若手作家までが集う本展。会期後には、カタログの刊行も予定されている。

ロゴデザイン=aokid