「あいちトリエンナーレ2019」の一企画である「表現の不自由展・その後」の展示中止の一因となった、「電凸」と呼ばれる電話攻撃。これに応答するようなプロジェクト「Jアートコールセンター」の設立が、同トリエンナーレ国際フォーラムのなかで、高山明によって発表された。
このコールセンターは、トリエンナーレ参加作家による全作品の展示再開を目指すプロジェクト「ReFreedom_Aichi」の一環として設置されたもの。合同会社として10月8日にオープンし、会期末の14日までの間、毎日12~20時の時間でアーティストやキュレーターら約30人が電話対応を行うという。電話番号は050-3177-4593。
これは、アーティストが県職員などの代わりに抗議電話など受けようという「ナイーブな感情」(高山)から始まったもの。高山は「直接行動よりも迂回路をつくることに力を注ぎたい」としており、コールセンターでは「あいちトリエンナーレ2019」に直接または間接的に関わることであれば受け付けるという。なお、攻撃のみを目的とした電話は受け付けない可能性があるともしている。
マニュアルが存在しないというこのコールセンター。高山は今回のトリエンナーレで問題となった「電話対応マニュアル」を更新したいと語っており、「意見を言いたい人々に対してアーティストが応えることで、相互理解が生まれる可能性があるのではないか」と期待を示す。