阪神間に生まれ、同時代に活躍した 対照的なふたりの巨匠。 長谷川新が見た、 「小磯良平と吉原治良」展

同時期に阪神間に生まれ、画家として活躍した小磯良平と吉原治良。人物画を得意とし、名実ともに日本を代表する画家となった小磯と、戦後日本の前衛美術を牽引した具体美術協会の主宰として、数多くの抽象絵画を手がけた吉原。対称的なふたりの画業を振り返る展覧会に、インディペンデント・キュレーターの長谷川新が迫る。

REVIEW

空間とのかかわりで魅せる 「超立体的絵画」。 ヘルベルト・ハマック展が 東京と名古屋で同時期に開催

色の塊をキャンバスに乗せた立体的な「絵画」を展開するヘルベルト・ハマックの個展がケンジタキギャラリー東京および名古屋で同時期に開催される。日本でのハマックの個展は、2010年以来約8年ぶり。会期は5月23日〜6月30日(東京)、5月26日〜6月30日(名古屋)。

NEWS / HEADLINE

約704億円! 「ロックフェラーコレクション」がシリーズ初回でコレクションとしての最高落札総額を記録

開催前から話題を集めていたディヴィッド・ロックフェラーとペギー夫人によるコレクション「ロックフェラーコレクション」シリーズ初回の落札結果が発表。落札総額は6億4613万ドル(約704億円)に達し、この時点でコレクションセールとしての最高落札総額を記録した。

NEWS / MARKET

異境の目と向き合う先にあるもの。 小金沢智が見た、「岡村桂三郎展-異境へ」

バーナーで焦がした巨大な杉板と、木炭でモチーフのかたちを取りそれをうろこ状に線刻するという独自の手法で大作を生み出してきた岡村桂三郎。この岡村の新作を含む作品群を紹介する美術館個展「岡村桂三郎展−異境へ」を、太田市美術館・図書館学芸員の小金沢智がレビューする。

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第8回

桑久保徹連載8:A Calendar for Painters Without Time Sense

アーティスト・桑久保徹による連載の最終回。2018年1月、小山登美夫ギャラリー(東京)での個展で発表された「カレンダーシリーズ」は、桑久保が尊敬する画家の生涯をひとつのキャンバスに込めて描いたシリーズ。美術史の中にいる多くの作家から、桑久保の選んだピカソ、フェルメール、アンソール、セザンヌ、スーラ、ゴッホの6人を表現した。この連載では、その制作にいたった経緯や葛藤、各作家との対話で見えてきた感情、制作中のエピソードが織り込まれた個展のためのステートメントを、全8回にわたってお届けする。最後となる今回は、スーラとの対話から絵の完成まで、そして個展の搬入からスタートまで。

「女性のアーティスト・研究者はどのようにキャリアを築いていけばよいのか?」東京藝大でシンポジウムが開催

女性の生き方が多様化し、社会全体でジェンダーに関する価値観や規範が大きく揺れ動いているいま、女性アーティスト・制作者・研究者は、どのようにキャリア構築を行っていけばいいのか。そして、それらの人々のキャリア構築について、芸術系大学ができることは何か。様々な分野で教鞭を執る女性教員が、それぞれの専門分野や大学での経験や知見を語り合うシンポジウムが5月26日、東京藝術大学にて開催される。

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キュレーターの憂鬱。 藪前知子が見たカンヌ・パルムドール受賞作 『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

現代美術のキュレーターを主人公にした映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が4月28日より公開されている。本作は、美術館を舞台に、現代美術あるいは人間の本質に迫る映画として話題を集め、第70回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。この映画を、東京都現代美術館学芸員として数々の展覧会を手がけてきた藪前知子がレビューする。

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