加藤泉は1969年島根県出身。原始的で匿名的な生命体を主なモチーフに、有機的なフォルムを特徴とする木彫や油彩画を制作。近年は、ソフトビニール素材を用いた立体作品、リトグラフなどにも取り組んでいる。
そんな加藤が日本人では初となる個展を北京・Red Brick Art Museumで行う。
Red Brick Art Museumは、中国では上海のLong MuseumやYuz Museumに並ぶ、巨大なスケールの美術館。手焼きの赤レンガと黒レンガが特徴的な、中国の伝統建築を思わせる風情ある同館で、これまでダン・グラハム、タチアナ・トゥルーヴェ、オラファー・エリアソンらも個展を行ってきた。
本展で加藤は、20×30メートルにおよぶ最新のファブリック作品を発表。美術館の屋外には現地の巨石を使い滞在制作した作品のほか、5点組の大彫刻など絵画から彫刻まで約10年にわたる過去の作品を展示する。加えて絵画やアーカイヴ展示も行うなど、加藤にとっては過去最大規模となる。
また、個展オリジナルカラーのソフトビニールフィギュアも販売するなど、多彩なグッズも展開。Red Brick Art Museumの大規模なスケールに合わせて制作された作品が集まる、充実の内容に注目したい。