橋本満智子は1986年京都府生まれ。京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科卒業後、同短期大学専攻科美術専攻卒業。2009年に第37回京都嵯峨芸術大学卒業制作展専攻科賞受賞、第2回神戸ビエンナーレ現代陶芸展審査員特別賞などを受賞。現在は京都市伏見を拠点に、花の一生を表現した陶作品を制作している。
生命の力強さ、華やかさと儚さが内在する橋本の作品。青藍色の顔料である呉須(ごす)によってもたらされる青色は、空、海、水といった生命の源の力強いイメージを有する。
制作において橋本はまず大きな「たたら」をつくり、それを手で伸ばして成型していき、半乾きの状態で削り出すことで装飾を施していく。これまでの薄く棘のある繊細な作品から一転、新作では造形が丸みを帯び、棘がなくなり、大らかな印象を持つ作品へと変化。その背景には少女から母に移り変わった自身の成長と、自身をとりまく環境の変化があるという。
出産という大きなライフイベントを経てもらたらされた、骨太で大胆な表現に注目したい。