2018.8.21

グランプリは誰の手に? 公開最終審査にも要注目。ファイナリスト6名が共演する第19回グラフィック「1_WALL」展がガーディアン・ガーデンで開催

グラフィック界の次世代を担う若手を発掘する公募展「1_WALL」。その二次審査を通過したファイナリスト6名の作品が展示される第19回グラフィック「1_WALL」展が、銀座ガーディアン・ガーデンにて8月28日から開催される。会期中の8月30日には公開最終審査が行われ、その場でグランプリが決定することでも注目を集めている本展。今年のファイナリストたちの作品をチェックしよう。

第18回グラフィック「1_WALL」展 公開最終審査の様子
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 35歳以下を対象とした、若手作家たちの登竜門となっているガーディアン・ガーデン主催の公募展「1_WALL」。今年で19回目を迎える本展は、二次審査を通過した6名のファイナリストたちがひとり一壁面を使って作品を発表するグループ展だ。

 毎年注目が集まるのは、一般見学者にも公開される最終審査会。ファイナリストがそれぞれ作品の前でプレゼンテーションを行ったのちに、ポートフォリオ、展示作品、プレゼンテーションの3要素をもとに審査が行われる。そして審査員による議論を経て、その場でグランプリ1名が決定。グランプリ受賞者には、約1年後のガーディアン・ガーデンでの個展開催の権利と、個展制作費として20万円が支給される。

 では、今回の「1_WALL」に参加する6名の作品を見てみよう。

芦川瑞季

 芦川瑞季は1994年生まれ、武蔵野美術大学大学院美術専攻版画コース在籍。建物や茂みといった風景と手描きの登場人物を組み合わせたイメージからリトグラフを制作している。

芦川瑞季 気が遠くなる日

有本誠司

 グラフィックをTシャツに印刷し裁断・縫い付ける作品を発表する有本誠司は86年生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、Semitransparent design に所属している。

有本誠司 Tシャツの形

佐々木彩音

 佐々木彩音は92年生まれ、武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒業。羊毛やオーガンジーを使い図形的な模様のテキスタイルのような作品を制作している。

佐々木彩音 やわらかい記号

垂谷知明

 垂谷知明は84年生まれ、大阪芸術大学工芸学科テキスタイル染織コース卒業。「私とは何か」を問い続け日々の体験を絵画作品に再構成する作品を発表している。

垂谷知明 咲いて良し

西川©︎友美

 シンプルな線と図形を組み合わせてグラフィックを制作する西川©︎友美は87年生まれ、現在10inc. に所属。

西川©︎友美 誇大妄想。

 そして藤倉麻子は92年生まれ、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。3DCGソフトを使って都市の中の工業製品に焦点をあてた作品を制作している。

藤倉麻子 はげ山の原始

 以上、6名のなかからグランプリ1名が選出される。全員のジャンルが多岐に渡り、各壁面で全く違った作品を楽しめる。

 なお、今回のグラフィック部門の審査員は、アートディレクターの川上恵莉子、グラフィックデザイナーの菊地敦己、タイポグラフィ集団の大日本タイポ組合、イラストレーターの都築潤、東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗の5名が務めている。審査の様子は、会期中ギャラリーにて映像が公開されるほか、ウェブサイトにレポートが掲載される。 

 若手作家たちがそれぞれの表現を持ち寄り、ひとつの壁を飾る本展。どのような展示とプレゼンテーションが行われるのか? そしてグランプリは誰が受賞するのか? その結果に今年も注目したい。