今週末に見たい展覧会ベスト21。「コシノヒロコ」展から「大ゴッホ展」まで【3/5ページ】

「焼絵 茶色の珍事」(中之島香雪美術館)

如秀《亀図》(18~19世紀)彌記繪菴

 中之島香雪美術館で「焼絵 茶色の珍事」が開催されている。会期は5月31日まで。

 「焼絵」とは、火筆画や焦画、烙画などとも呼ばれる、熱した火箸や鏝を紙や絹などに押しあて、絵画や文字を焦がして表現する技法を用いた作品のこと。色調は茶から黒に近い色まで展開し、線描から点描、濃淡といった水墨画の技法も再現されている。

 江戸時代には、優れた焼絵を手がけた稲垣如蘭こと近江山上藩の第五代藩主稲垣定淳をはじめ、藩主や家老クラスのあいだでこの技法が流行した。いっぽう、葛飾北斎の弟子とされる北鼎如連のような浮世絵師にも焼絵の名手が現れ、狩野派の特徴を有する作例も確認されている。また、大田南畝と来舶した中国人とのあいだで焼絵談議が行われ、朝鮮通信使を介し烙画が紹介されるなど、焼絵を通した国際交流も行われた。本展では、日本をはじめ朝鮮と中国、現代の焼絵作品を展観し、その美と制作背景を紹介している。

会期:2026年4月28日~5月31日
会場:中之島香雪美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階
開館時間:10:00~17:00(5月1日、15日、29日は~19:30) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 1600円 / 高大生 800円 / 小中生 400円

特別展「志村ふくみ 百一寿 -夢の浮橋-」(細見美術館

 京都の細見美術館で、特別展「志村ふくみ 百一寿 -夢の浮橋-」が開催されている。会期は5月31日まで。

 志村ふくみは1924年滋賀県生まれ。染織家、随筆家。31歳のときに母・小野豊の指導で植物染料と紬糸による織物をはじめる。重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、第30回京都賞(思想・芸術部門)受賞、文化勲章受章。京都市名誉市民。

 本展では、自然から色彩を抽き出し、経糸と緯糸の交わりによって世界を表現する志村の制作に注目。『源氏物語』や「紫」、石牟礼道子原作の新作能『沖宮』の装束など、近年の特徴的なテーマを中心に、作品と言葉を通して色彩、生命、自然への思索を紹介する。また、今回の展示を機に構想・制作された作品2領を初公開している。

会期:[前期]2026年3月3日~4月12日、[後期]4月14日~5月31日
会場:細見美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
開館時間:10:00~17:00
休館日:月、5月7日(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 2000円 / 学生 1500円

「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」(広島県立美術館

 広島県立美術館で、特別展「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」が開催されている。会期は5月31日まで。

 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)とアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)は、いずれも19世紀末のパリで活躍した芸術家だ。

 本展では、ふたりの画業が交わる1891年から1900年の「パリ時代の10年」に着目し、「よき時代(ベル・エポック)」を感じられるポスターなどを紹介する。展示室では、《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》の発表から10年のあいだにロートレックにより生み出されたポスター全31点を展示している。

会期:2026年4月2日~5月31日
会場:広島県立美術館
住所:広島県広島市中区上幟町2-22
開館時間:9:00~17:00(4月2日は10:00~、金は〜20:00) ※入場は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1500円 / 高校・大学生 1000円 / 小学・中学生 700円

「生誕150周年 アルベール・マルケ展」(ひろしま美術館

アルベール・マルケ ル・ピラ 1935 ボルドー美術館 © Mairie de Bordeaux, musée des Beaux-Arts, photo, F.Deval.

 ひろしま美術館で「生誕150周年 アルベール・マルケ展」が開催されている。会期は5月31日まで。

 フランス近代絵画の画家アルベール・マルケ(1875〜1947)は、1890年代の終わりからアンリ・マティスとともに大胆な色彩による作風を展開し、のちにフォーヴィスムと呼ばれる活動に加わった。その後、独特な灰色をはじめとする中間色をもちいた風景画を描くようになり、マティスからは「我らの北斎」と称された。

 本展は、マルケの生誕150周年を記念した日本では35年ぶりとなる回顧展となる。日仏の主要な美術館や個人コレクションから借用した油彩、パステル、デッサンなど約90点を展示。パリのセーヌ河や南仏、アルジェなどの水辺の風景、特定のモチーフを異なる時間や季節、天候で描いた作品群を通じ、初期から晩年までの画業の変遷を紹介している。

会期:2026年4月11日~5月31日
会場:ひろしま美術館
住所:広島県広島市中区基町3-2
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 2200円 / 高校・大学生 1000円 / 小学・中学生 500円

春季特別展「日本画ハイライト 足立美術館とっておきの名画」(足立美術館

安田靫彦 王昭君 1947 足立美術館所蔵

 島根の足立美術館で、春季特別展「日本画ハイライト 足立美術館とっておきの名画」が開催されている。会期は5月31日まで。

 本展では、同館の近代日本画コレクションを代表する作品を紹介。明治から昭和にかけての日本画壇は、日本絵画の伝統を踏まえつつ西洋画の表現を取り入れるなど、自由な作品が生まれた時代であり、多くの美術団体の結成とともに画家たちがそれぞれの美を追求した。今回の展示では、その時代に活躍した近代日本画家の作品を一堂に展示。横山大観竹内栖鳳上村松園らによる名画を紹介する。

 また、併催の展示「春の横山大観コレクション選」では、『山海二十題』の《龍躍る》《海潮四題・夏》をはじめ、横山大観の初期から晩年までの作品を展示。加えて「榊原紫峰のまなざし」では、榊原紫峰が描くみずみずしい花鳥画を楽しむことができる。

会期:2026年3月1日~5月31日
会場:足立美術館
住所:島根県安来市古川町320
開館時間:9:00~17:00(4、5月は〜17:30)
休館日:会期中無休
料金:大人 2500円 / 大学生 2000円 / 高校生 1000円 / 小学・中学生 500円