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「内間安瑆・俊子展 色を織り、記憶を紡ぐ」(神奈川県立近代美術館 葉山)会場レポート。日米を舞台に深化を遂げた独自の美学

神奈川・葉山の神奈川県立近代美術館 葉山で、「内間安瑆(あんせい)・俊子展 色を織り、記憶を紡ぐ」が開催されている。会期は5月31日まで。会場をレポートする。

文・取材=大橋ひな子(編集部)

内間安瑆を紹介する第3章「色を織る一〈Forest Byobu森の屏風〉[1977-1982]」の展示風景

 神奈川・葉山の神奈川県立近代美術館 葉山で、「内間安瑆(あんせい)・俊子展 色を織り、記憶を紡ぐ」が開催されている。会期は5月31日まで。担当は同館主任学芸員の西澤晴美。

内間安瑆と俊子

 内間安瑆(1921〜2000)は、沖縄からアメリカへ渡った両親のもとに誕生。少年時代を米・ロサンゼルスで過ごした後、1940年に来日し早稲田大学で建築を学ぶ。その後、恩地孝四郎の創作版画に感銘を受け木版画に取り組み、59年以降はニューヨークを拠点に制作を続けた。70年代後半には、浮世絵版画の技法にもとづく「色面織り」の技法を確立し、色鮮やかな「Forest Byobu(森の屏風)」シリーズにより評価を高め、82年に病に倒れるまで制作活動を展開した。

 内間俊子(1918〜2000)は中国・大連で幼少期を過ごし、1935年に神戸に移り住む。小磯良平に絵画を学んだ後、53年には瑛九らによる前衛的なグループ「デモクラート美術家協会」に参加。この頃、久保貞次郎や瀧口修造を知り、抽象的な油彩画や木版画を制作するようになる。59年に夫・安瑆とともにアメリカに渡り、60年後半からはコラージュやボックス型のアッサンブラージュの制作を続けた。

俊子の第1章「デモクラート美術家協会の時代[1953-1956]」の展示風景

 本展は、版画やコラージュ作品を中心に、2人の独自性のある創作世界を振り返るもの。安瑆については2014年、沖縄県立博物館・美術館で回顧展が開催されたが、俊子については初期から晩年までの軌跡を辿る初めての機会となっている。また、戦後の激動の時代において、日米のアーティストや文化人のネットワーク形成に尽力した両者の功績を再評価し、イサム・ノグチや長谷川三郎、棟方志功など関連作家の作品もあわせて紹介することで、戦後美術の新たな一面に光を当てることを試みる機会となっている。

編集部