第38回

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:吾輩は「本人」である

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第38回は、様々な著名人に扮装し続けるスギノイチヲを紹介する。

PREMIUM

第18回

平成の日本美術史③平成13年~19年:奈良美智と村上隆は日本のアート界をどう変えた?

雑誌『美術手帖』の貴重なバックナンバー記事を公開。2月は、現在開催中の「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)」展にあわせて、2019年6月号「平成の日本美術史 30年総覧」特集より、5名の執筆陣が平成美術をさまざまな切り口から分析したコラムを掲載する。

線路に沿うように進む鑑賞。若山満大評「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」展

東武博物館にて企画写真展「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」が2020年9月から11月に開催された。東武鉄道の社内報に掲載するために撮影された写真を中心に、東武鉄道沿線の風景や風俗、人々の暮らしをとらえた60点を展示。その展示スタイルからみえた展覧会のそのもののあり方を、インディペンデント・キュレーターの若山満大が考察する。

REVIEW

「ヒップホップとしての絵画」、その新しさとは? 石川卓磨評「千葉正也個展」

東京・八王子エリアを拠点に活動し、国内外で活躍する千葉正也の大規模な個展が、東京オペラシティアートギャラリーで開催されている。千葉は、紙粘土や木片で人型のオブジェを制作し、身の回りの品々とともに周到に配置した仮設の風景をつくったうえでそれを絵画化するという代表的な手法を中心に、映像、インスタレーション、パフォーマンスなど様々な方法を用いて作品を発表する。自身の絵画作品をダイナミックに配置し、様々なオブジェクトや生きたカメをも共存させる展示空間をつくりあげた本展を機に、その絵画やペインターとしての独自性を、美術家、美術批評の石川卓磨が論じる。

INSIGHT

アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか

3月2日に発売されたアニメ評論家・藤津亮太の著書『アニメと戦争』(日本評論社)。アニメに登場する様々な戦争の系譜をたどり、社会との関係を問い直す同書の装丁には会田誠《ザク(戦争画RETURNS 番外編)》(2005)が選ばれている。なぜ、会田誠の「戦争画」が同書に必要だったのか、その理由を藤津が綴る。

INSIGHT