フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルの意匠にも用いたことで知られる大谷石は、およそ2000万年前の火山噴出により堆積した凝灰岩で、古くは江戸時代から採掘されていた。その産地である宇都宮市大谷町に立つ昭和の複合施設「旧・山本園大谷グランドセンター」が令和のいま、新たな施設へ生まれ変わった。それが「大谷グランド・センター」だ(プレオープンは12月12日、グランドオープンは2026年1月5日)。

1967年に建設された「旧・山本園大谷グランドセンター」は、大谷石の岩肌にへばりつくように立てられたユニークな建築。宇都宮屈指の観光スポットとして賑わいを見せていたが、1985年頃に廃業。以降、約30年以上にわたり廃墟となっていた。ここを地元の印刷会社・株式会社井上総合印刷が購入。廃墟になってからも親しまれてきたその趣きは残しつつ、昔の賑わいを蘇えらせるべく、構想から9年の歳月をかけてアートと食の複合施設へと生まれ変わらせた。

建築は2フロアで構成されており、1階はアートスペース、2階にはカフェ・レストラン・ショップが入る。この1階アート部分のプロデュースは株式会社The Chain Museumが担い、空間が持つ力に共鳴した気鋭のアーティスト・YOSHIROTTENが自身初となる常設作品《大谷石景》を手がけた。

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