アメリカのマサチューセッツ現代美術館(MASS MoCA)が、5月29日にジェームズ・タレル「Skyspace」シリーズの新作を敷地内で公開することを発表した。
同シリーズは、部屋や建物の天井に開口部を設けることで、空を無限の奥行きを持つキャンバスのように縁取る作品。タレルは1974年に最初の「Skyspace」を制作し、今日では80点以上の同シリーズの作品が世界中の公共および個人美術館に展示されている。MASS MoCAの新作は直径・高さ約12メートルで50人の鑑賞者を収容でき、同シリーズでは過去最大級となる。
この作品は、33年前にタレルが同館敷地内の廃墟となった貯水タンクを見つけたことから始まったもので、同館創設ディレクターのジョセフ・トンプソンは「この物語はMASS MoCAのアーティストとそのキャリアを支援し、その夢を実現させるためにどんなに野心的であっても一緒に動くというコミットメントを体現している」と語っている。
また、同館の暫定ディレクターであるトレイシー・ムーアは「今春のスカイスペースの完成により、当館がタレルのキャリアを包括的に紹介する北米唯一の機関であることを非常に誇りに思っている」としている。
空をより身近に感じることができる「Skyspace」は、肉眼で見る空の展望台として機能し、光と空間への集中的な思索を促すものだ。本作は同館で半恒久的に展示予定。なお、5月29日〜2022年10月30日にはタレルの陶芸作品に注目した展覧会「Lapsed Quaker War」も開催予定となっている。