アメリカのコレクター、ヘレン・コーンブラムが女性写真家による100点の写真作品をニューヨーク近代美術館(MoMA)に寄贈したことがわかった。
コーンブラムのコレクションは、家父長制や植民地支配などにおけるジェンダー問題にフォーカスしており、前衛的な実験作品からフォトジャーナリズム、ソーシャル・ドキュメンタリー、商業写真、広告などが含まれている。コレクションに含まれる主なアーティストは、ゲルトールト・アーントやローラ・アルバレジ・ブラボー、カーラ・ロメロ、スーザン・マイセラスなど。
今回の寄贈について、コーンブラムは声明文でのようにコメントしている。「私の女性アーティストの写真コレクションにとって、MoMA以上の居場所はないだろう。グレン・ラウリー館長は、コレクションだけでなく、美術館の壁にも女性の作品をより多く展示することに尽力している」。
MoMA写真部門のシニア・キュレーターであるロクサーナ・マルコチは同コレクションを「一連の問題を提起するもの」だと評価する。「今回の寄贈は女性写真家の自主性を検証し、現代文化に対する貢献を読み解くための完璧なプラットフォームとなる」。
なお2022年には、MoMAはこのコレクションを中心とした展覧会の開催や学術的な図録の出版を予定している。