自然との複層的な関係を提示する 中村史子評ジョーン・ジョナス「Five Rooms For Kyoto: 1972–2019」展

ジョーン・ジョナスの第34回京都賞受賞を記念し、国内最大規模となる個展が京都市立芸術大学ギャラリー @KCUAで開催された。パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、複数のメディアを融合させた表現を追求してきたジョナス。本展は、彼女の作品の重要なキーワードとなる、女性、物語、環境問題を5つの展示室を使ってたどる。もっとも大きな部屋では、近年の代表作とも言える《Reanimation》のインスタレーションが展開された。愛知県美術館学芸員の中村史子がレビューする。

REVIEW

史上最年少パリ・ルーヴル展示。 全国学生アートコンペ「第69回学展」受賞者が決定

アーティスト志望の学生たちの登竜門として、毎年若き才能を見出してきた老舗のアートコンペ「学展」。その69回目を迎えた大賞を、小学2年生の大塚叶太による《時計の世界》が受賞した。今回も大賞受賞者には、パリ・ルーヴル美術館の地下にあるカルーゼル・デュ・ルーヴルで作品を展示する権利が与えられた。今回学展は在仏日本大使館による推薦で日本代表として同展に参加した。

NEWS / PROMOTION

個性豊かな劇場空間で、鳥肌の立つ音響体験を。「アップリンク京都」が4月16日にオープン

多彩なラインナップで、数多くの映画ファンを抱えている「アップリンク」。4月16日、新たに京都市中京区で開発を進める複合施設「新風館」の地下1階に「アップリンク京都」がオープンすることがわかった。アップリンクとしては、「アップリンク渋谷」「アップリンク吉祥寺」に次ぐ3館目の映画館で、これが関西初進出となる。

NEWS / HEADLINE

石川九楊や戸谷成雄、マティスの作品も。東京都現代美術館の企画展「ドローイングの可能性」をチェック

線を核とする様々な表現を現代におけるドローイングとして注目し、その可能性をいくつかの文脈から再考する展覧会「ドローイングの可能性」が、清澄白河の東京都現代美術館で開催される。参加作家は、石川九楊や戸谷成雄、盛圭太、草間彌生など豪華な顔ぶれだ。会期は3月14日~6月14日(3月14〜15日は休止)。

NEWS / EXHIBITION

愚公山を移す。「香港の不自由展」に見る自由の追求

昨年より香港で起きている一連の抗争をめぐるアート作品が集まる展覧会「香港の不自由展」が、1月27日に銀座のGallery Qでスタートした。香港人の有志10人による絵画、ビデオ・ドキュメンタリー、立体、インスタレーションが展示されている本展の見どころとは?

NEWS / REPORT

夏目漱石も愛した「背く画家」。津田青楓の生誕140年を記念する展覧会が練馬区立美術館で開催

明治時代からのびやかな作品世界を展開し、夏目漱石にも愛された画家・津田青楓。作品や関連資料を通して、明治・大正・昭和の時代を生きたその生涯を振り返る展覧会「生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和」が、練馬区立美術館で開催される。会期は2月21日~4月12日。

NEWS / EXHIBITION

「バウハウス叢書」から『韓国近代美術史』まで。2月号新着ブックリスト(2)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。バウハウス創設100周年を記念して新装版としてよみがえった「バウハウス叢書」や、伝統文化から切り離して語られてきた韓国の近代美術を通史的に描写した『韓国近代美術史』など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

INSIGHT

村上隆の父・福壽郎の初作品集から卯城竜太と松田修の対談まで。2月号新着ブックリスト(1)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。卯城竜太(Chim↑Pom)と美術作家の松田修による「公の時代」におけるアーティストの役割についての討論を収めた『公の時代』や、村上隆に影響を与えた父・福壽郎の初作品集など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

INSIGHT

モネの睡蓮に触れる旅。ANAトラベラーズがアートツアー「クロード・モネの連作 睡蓮に浸る」をスタート

ANAグループの旅行事業を手がけるANAセールスがクロード・モネに焦点を当てる新しいアートツアー「アートな旅 〜クロード・モネの連作 睡蓮に浸る〜」をスタートさせる。地中美術館や大原美術館、そしてオランジュリー美術館やマルモッタン美術館など国内外の美術館を訪問し、モネの「睡蓮」連作を堪能できる機会だ。

NEWS / PROMOTION

第22回

【シリーズ:BOOK】メディア様式から1950年代の美術動向をとらえ直す。『転形期のメディオロジー 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成』

雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本から注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2020年2月号の「BOOK」2冊目は、1950年代の美術動向を活字・出版、映像・放送、表現・身体という3つのメディア様式から、社会・経済状況や言説空間の複層的な変動においてとらえ直す『転形期のメディオロジー 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成』を取り上げる。

SERIES / BOOK

第21回

【シリーズ:BOOK】「力を持つかたち」としての芸術作品。『かたちは思考する 芸術制作の分析』

雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本から注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2020年2月号の「BOOK」1冊目は、近代絵画、映画、パフォーマンスを「力を持つかたち」と考え、「芸術」そのものの認識のとらえ直しを試みた、平倉圭著『かたちは思考する 芸術制作の分析』を取り上げる。

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