史上最年少パリ・ルーヴル展示。
全国学生アートコンペ「第69回学展」受賞者が決定

アーティスト志望の学生たちの登竜門として、毎年若き才能を見出してきた老舗のアートコンペ「学展」。その69回目を迎えた大賞を、小学2年生の大塚叶太による《時計の世界》が受賞した。今回も大賞受賞者には、パリ・ルーヴル美術館の地下にあるカルーゼル・デュ・ルーヴルで作品を展示する権利が与えられた。今回学展は在仏日本大使館による推薦で日本代表として同展に参加した。

パリのルーヴルで開催された「サロン・デ・ボザール2019」にて、左から七種諭(学展審査員)、西田剛(学展代表)、大塚叶太(学展芸術大賞受賞者)、阿部康次(駐フランス公使)、赤木曠児郎(SNBA名誉副会長)

 アーティスト志望の学生たちの登竜門として、毎年若き才能を見だしてきた老舗のアートコンペ「学展」。その69回目を迎えた同コンペの大賞を、小学2年生の大塚叶太による《時計の世界》が受賞した。

 1950年10月、安井曾太郎、西田信一、猪熊弦一郎、林武、脇田和、鍋井克之、寺内萬治朗、須田国太郎氏の8人は、学生油絵の振興、作品の保存、学生絵画の国際交歓、文化の向上に寄与することを目的に、日本学生油絵会を設立。同会が「全日本学生油絵コンクール」として日本最初の学生油絵コンクール展を開催して以来、今日においても「学展」として、コンペと入賞作品の展覧会が毎年開催されている。

大塚叶太 時計の世界

 2016年より大賞受賞者には、パリ・ルーヴル美術館の地下で開催される「サロン・デ・ボザール」展に作品を展示する権利が与えられる。昨年12月、日本学生油絵会(学展)は在仏日本大使館による推薦で日本代表として同展に参加。150年以上の歴史がある同展の歴代出展者の中で8歳の出展者は史上最年少となったという。学展ゲストアーティストとして、俳優・フィルムメーカー・白黒写真家である齊藤工の作品《桜梅桃季》も展示された。

齊藤工 桜梅桃季
「サロン・デ・ボザール」展の展示風景

 今回の受賞作のテーマについて大塚は、「僕は数字が好きなんです。数字が好きだから、時計も好きで。自分の好きなものを描きたいなと思いました」とし、「大賞を獲るとは思っていなかったからとてもうれしい。すごい有名な場所のパリで展示されるのもうれしい」とコメントしている。

 今回の学展審査員を務めたのは、赤木曠児郎(SNBA名誉副会長・洋画家)、岩渕貞哉(美術手帖 総編集長)、七種諭(ギャラリーDa-End代表・写真家)、千原徹也(株式会社れもんらいふ代表・アートディレクター)、那須太郎(TARO NASU代表・岡山芸術交流2019総合ディレクター)、ヒロ杉山(Enlightenment代表・アーティスト)、ホンマタカシ(写真家)の7人。

第69回学展の審査員たち

 このほか、今年の受賞作は益子遼祐《胎内仏》(外務大臣賞)、吉田礼央《窓(私の構成)》(特別奨励賞)、毛利修一郎《Nightmare》(入賞)など。大賞作品を含むこれらの受賞作品は、昨年11月28日〜12月8日に国立新美術館で展示された。

国立新美術館 第69回学展エキシビション
東京大学・益子遼祐と《胎内仏》(外務大臣賞)
武蔵野美術大学・吉田礼央と《窓(私の構成)》(特別奨励賞)
日本大学芸術学部・毛利修一郎と《Nightmare》(入賞)

編集部

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