銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」では開業以来、草間彌生やニコラス・ビュフ、塩田千春といった国際的なアーティストたちが中央の巨大な吹き抜けでインスタレーションを発表してきた。
ここで2月27日から新作を展示するのが、日本を代表するデザイナー・吉岡徳仁だ。
吉岡は1967年生まれ。倉俣史朗や三宅一生のもとでデザインを学び、2000年に吉岡徳仁デザイン事務所を設立。 デザイン、建築、現代美術の領域において活動し、詩的な作品は国際的にも評価されている。オルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ《Water Block》をはじめ、クリスタルプリズムの建築《虹の教会》、ガラスの茶室《光庵》などを手がけ、東京2020オリンピック・パラリンピックでは聖火リレートーチのデザインを担当している。
今回、GINZA SIXで発表される作品は《Prismatic Cloud》。巨大な雲をイメージした光の彫刻だ。本作は、ヒューストンのアレンセンターで2017年に発表したものをアレンジ。自然の原理からインスピレーションを受けた「光の彫刻」は全長10メートルにもおよび、約1万本ものプリズムロッドを積層させることで、光を透過する透明のレイヤーを無数に創出する。
鑑賞する位置や目線の高さによって見え方が変化する《Prismatic Cloud》。吹き抜け空間内の様々な角度から「光の雲」を眺めることで、「感覚を超越した自然のエネルギー」を知覚させるという。
本作の展示期間は10月下旬までを予定。東京五輪の開催期間にあわせて、吉岡の巨大作品が銀座で輝く。