今週開幕
「『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」(三菱一号館美術館)
メンテナンスによる長期休館を経て、11月23日に再オープンする三菱一号館美術館。その再開館を記念した展覧会「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」が同日より開催される。
本展では、同館コレクションの核でもあるアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)の作品を改めて展示するとともに、フランスを代表するアーティストのソフィ・カル(1953〜)を招聘し、その創作活動を紹介するものとなる。
カルは、長年にわたり「喪失」や「不在」をテーマに制作活動を行ってきたアーティストだ。いっぽうで、ロートレックは、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について興味深い言葉を残している。
「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」
会場では、同館のコレクションからロートレックによるポスター32点(バージョン違いを含む)とともに、刷りの異なる2点の《ロイ・フラー嬢》(1893)をはじめとする主要版画作品も公開。さらに、フランス国立図書館から借用した版画作品11点を加えた136点を展示し、ロートレックの作品を「不在」と「存在」の視点からとらえ直す機会を生み出すという。
会期: 2024年11月23日〜2025年1月26日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
開館時間:10:00〜18:00(金と会期最終週平日、第2水は〜20:00)
休館日:月(ただし、11月25日、12月30日はトークフリーデー、1月13日、1月20日は開館)、12月31日、1月1日
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 高校生 1000円 / 障害者手帳をお持ちの方は半額。付添の方1名まで無料
「UNSOLD UNSOLD|杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太」(ギャラリー小柳)
銀座のギャラリー小柳で、杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太による展覧会「UNSOLD UNSOLD|杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太」が開催される。
本展は、2014年11月にギャラリー小柳で開催した「UNSOLD」展を再現する展示。10年前、3人のアーティストにより蚤の市に出され売れ残った品々は、ギャラリーという場に移されることにより、全体でひとつの「UNSOLD」というインスタレーション作品として売りに出された。しかしそれは売れ残るという結果となった。
本展では、それを10年ぶりに「UNSOLD UNSOLD」(売れ残りの売れ残り)として再び販売するもの。果たして今度こそ売れるのか、それともさらに「UNSOLD UNSOLD UNSOLD」となるのか。なお本展に際し、2014年に発行された展覧会カタログを再版。杉本の新テキストを加えて『UNSOLD UNSOLD』として発行される。
会期:2024年11月21日~12月14日
会場:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9階
電話:03-3561-1896
開館時間:12:00~19:00(11月21日は17:00〜)
休館日:日、月、祝
観覧料無料
「ART IN THE PARK(工事中)」(Ginza Sony Park)
2025年1月のグランドオープンに向けて、2018年より解体・新築工事を行ってきたGinza Sony Park(銀座ソニーパーク)。この工事中の同施設を舞台に、玉山拓郎、SHUN SUDO、山口幸士といった3名のアーティストが作品を展開する「ART IN THE PARK(工事中)」がスタートした。会期は12月1日まで。会場レポートはこちら。
玉山、SUDO、山口は、以前よりSony Parkにまつわる企画に参加してきたアーティストたちだ。今回は、8月に竣工したオープン前のGinza Sony Parkにおいて、銀座という場所や新しい建築空間とも相関するような作品が展開されている。
同プログラムの開催中に一般来場者が立ち入ることができるのは、東京メトロ銀座駅地下コンコースフロアにあるGinza Sony Parkの地下2階から4階までの一部のエリアとなる。鑑賞者はこの連続的につながる階段の途中で様々なアート作品に出会うこととなる。
会期:2024年11月19日〜12月1日
会場:Ginza Sony Park
住所:東京都中央区銀座5-3-1
開館時間:[平日]12:00〜20:00 / [土日]11:00〜19:00(予定)
料金:入場無料 ※WEBでの事前予約制
特別展「志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―」(大倉集古館)
東京・虎ノ門の大倉集古館で、人間国宝の染織家・志村ふくみの足跡をたどる特別展「志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―」が開幕した。会期は2025年1月19日まで。会場レポートはこちら。
志村ふくみは1924年滋賀県生まれ。染織家・随筆家。今年100歳を迎えたいまも、自然にある無数の色を抽出して糸を染め織るという、人と自然が共生する営みに捧げる仕事を続ける人間国宝だ。
本展は志村の生い立ちや影響関係を紹介しつつ、初期の代表作《秋霞》から最新作《野の果て》までを6章に分けながら展示する、志村の仕事を総覧できる展覧会となっている。
会期:[前期]2024年11月21日~12月15日 [後期]2024年12月17日~2025年1月19日
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
電話番号:03-5575-5711
開館時間:10:00~17:00(金は〜19:00) (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、12月29日〜31日(祝・休日の場合は翌平日)(1月1日〜開館) 料金:一般 1500円 / 大学生・高校生 1000円 / 中学生以下 無料
「唐ごのみ—国宝 雪松図と中国の書画—」(三井記念美術館)
三井記念美術館で「唐ごのみ—国宝 雪松図と中国の書画—」が開幕する。会期は11月23日~2025年1月19日。
江戸に店を構え、京を本拠地とした三井家は、自らがパトロンとして支援した円山応挙やその弟子の絵画を多く所蔵していた。三井記念美術館の絵画コレクションの筆頭である円山応挙筆《雪松図屏風》(国宝)は、幕末維新・震災・大戦 の戦禍と幾多の困難を潜り抜けて、今日まで守り伝えられている。こうした日本の絵画にくわえ、北三井家を筆頭とした各家においては、茶の湯の美意識にのっとった墨跡や、中国の宋から元代の画家の絵画もまた、歴代にわたって珍重された。また、近代の新町三井家においては、9代当主・高堅が中国の古拓本の名品を盛んに収集し、それらは現在、聴氷閣コレクションとして世界的に知られている。
本展では、それらの北三井家・新町三井家旧蔵品を中心として、中国の絵画や書および、それらに倣って日本で描かれた作品を紹介。くわえて、一部の作品については、江戸時代に記された鑑定書など、付属する資料とあわせて展示される。
会期:2024年11月23日~2025年1月19日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、12月27日~1月3日、1月14日(ただし 1 月13日は開館)
観覧料:一般 1200円 / 70歳以上の方 1000円 / 大学・高校生 700円 / 中学生以下 無料
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