EXHIBITIONS
渡辺志桜里 宿 / Syuku
資生堂ギャラリーで「渡辺志桜里 宿 / Syuku」が開催されている。
渡辺志桜里は、外来種や絶滅種といった人間と自然とのあいだに生じるコンフリクトを想起させるモチーフに焦点をあてることで、私たち人間同士に孕む課題を暗示する作品を多く手がけている。
本展では、水槽やプランターなどをホースでつなぎ、水やバクテリアを循環させて自律した生態系を構築する渡辺の代表作《Sans room》とともに、能の演目『翁』にインスピレーションをえて制作した新作能の映像インスタレーションなどを展示。『翁』では人間に神が「宿」り、祈りを捧げ、再び人間に戻るという、人間・神・自然の循環的な関係、日本列島に眠るマージナルな自然観が描かれる。また、渡辺は現代において、とくに新型コロナウイルスの流行以来、人間の身体を「宿」主としてウィルスが生存している意識や、国家・コミュニティを越え、他種や他者との共生へ向かう感覚が高まっているのではないかと指摘している。
自然と人間の関係によって日本の生態系が築かれてきたダイナミズムを長い時間軸でとらえ、「宿」という観点から照射し、そこに孕む諸問題を浮かび上がらせると同時に、私たちが未来をどう生きるか、その手掛かりを探る。
渡辺志桜里は、外来種や絶滅種といった人間と自然とのあいだに生じるコンフリクトを想起させるモチーフに焦点をあてることで、私たち人間同士に孕む課題を暗示する作品を多く手がけている。
本展では、水槽やプランターなどをホースでつなぎ、水やバクテリアを循環させて自律した生態系を構築する渡辺の代表作《Sans room》とともに、能の演目『翁』にインスピレーションをえて制作した新作能の映像インスタレーションなどを展示。『翁』では人間に神が「宿」り、祈りを捧げ、再び人間に戻るという、人間・神・自然の循環的な関係、日本列島に眠るマージナルな自然観が描かれる。また、渡辺は現代において、とくに新型コロナウイルスの流行以来、人間の身体を「宿」主としてウィルスが生存している意識や、国家・コミュニティを越え、他種や他者との共生へ向かう感覚が高まっているのではないかと指摘している。
自然と人間の関係によって日本の生態系が築かれてきたダイナミズムを長い時間軸でとらえ、「宿」という観点から照射し、そこに孕む諸問題を浮かび上がらせると同時に、私たちが未来をどう生きるか、その手掛かりを探る。