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杉本博司

Hiroshi Sugimoto

杉本博司

小田原文化財団 江之浦測候所

小田原文化財団 江之浦測候所

 杉本博司は1948年東京都生まれの写真家、美術作家。70年に立教大学経済学部卒業後、渡米。ロサンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学び、74年に卒業。ニューヨークに移住した。70年代後半からのちの代表作となる自然史博物館に展示されている動物標本を撮影した「ジオラマ」、20年〜30年代につくられた映画館のスクリーンに1本の映画を投影し、その始まりから終わりまで撮影した「劇場」、世界中の水平線を写した「海景」などのシリーズを発表する。

 以降、近代建築の外観をあえてぼかして撮影する「建築」シリーズや、蝋人形の偉人たちを写したポートレートシリーズなど数々のシリーズを手がける。美術分野以外での活動も活発に行っており、近年では人形浄瑠璃文楽の『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り観音廻り』(2011)をはじめ、古典芸能を中心に舞台にも携わっている。

 2008年には建築家・榊田倫之とともに建築設計事務所として新素材研究所を設立。古代〜近世の素材や技法を研究し、現代における再解釈と再興に取り組んでいる。代表作にMOA美術館、IZU PHOTO MUSEUMなど。09年に古典演劇から現代演劇までの伝承・普及、古美術品等の保存・公開、現代美術の振興発展に寄与することを目的とした小田原文化財団を設立。17年には小田原に能舞台やギャラリー、茶室などを備えた文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開館させた。

 近年の主な個展に「杉本博司 ハダカから被服へ」(原美術館、東京、2012)、「杉本博司 趣味と芸術−味占郷/今昔三部作」(千葉市美術館、2015)、「杉本博司 ロスト・ヒューマン」(東京都写真美術館、2016)など。主な受賞に毎日芸術賞(1989)、ハッセル・ブラッド国際写真賞(2001)、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)(2009)など。10年には紫綬褒章を受章。13年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを叙勲。17年に文化功労者。