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財政難のミュージアムに救いの手? ライセンシング事業の可能性とノウハウ

世界の巨大ミュージアムが相次いで乗り出すライセンシング事業。その成功の鍵はどこにあるのか? ファン・ゴッホ美術館でポケモンとのコラボレーションのきっかけをつくったカイ・バーテリンク氏の協力を得て、ライセンス事業の可能性とその実践ノウハウを深掘りする。

文=貝谷若菜

左から、木村直代《Pikachu inspired by Self-Portrait with Grey Felt Hat》(The Pokémon Company International)、フィンセント・ファン・ゴッホ《Self-Portrait with Grey Felt Hat(灰色のフェルト帽の自画像)》(1887、ゴッホ美術館蔵、フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

 2020年、新型コロナウイルス感染症拡大によるロックダウンをきっかけに、世界の美術館や博物館は新たな収益モデルとして大規模なライセンシング事業に乗り出した。近年では、年次報告書にライセンスによる収益を記載する美術館もあり、主要な収益源となっている。しかし日本国内では、まだ多くの美術館・博物館がこの分野に本格的に参入していないのが現状である。いっぽうで、これは、主要な文化施設ですら財政難に直面している日本にとってチャンスともとらえられるのではないだろうか。ファン・ゴッホ美術館でのポケモンとのコラボレーションを提案、指揮し、現在はマウリッツハイス美術館でライセンシング事業を担当するカイ・バーテリンク氏の協力を得て、ライセンス事業の可能性とその実践ノウハウを深掘りする。

美術館・博物館におけるライセンシングとは

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