三連休に見たい展覧会ベスト23。内藤礼からCLAMP、吟遊詩人、田中一村まで【4/6ページ】

今週開幕

「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」(サントリー美術館

展示風景より、《雨宿り図屛風》メトロポリタン美術館

 風俗画の名手として知られる江戸時代の絵師・英一蝶(はなぶさいっちょう・1652~1724)の過去最大規模の回顧展が東京・六本木のサントリー美術館で開幕した。レポート記事はこちら

 一蝶は元禄年間(1688~1704)前後に、江戸を中心に活躍。はじめは狩野探幽の弟・安信に師事したが、菱川師宣や岩佐又兵衛らに触発され、市井の人々を活写した独自の風俗画を生み出した。元禄11年(1698)には47歳で三宅島に流罪になったが、島で描かれた作品は「島一蝶」と呼ばれ、とくに高く評価されている。本展は2009年の「一蝶リターンズ ~元禄風流子 英一蝶の画業~」(板橋区立美術館)以来、15年ぶりの回顧展。ユーモアあふれる戯画から、狩野派絵師としての高い技量をうかがわせる謹直な作品まで、一蝶の活動を包括的に紹介する展覧会に注目だ。

会期:2024年9月18日~11月10日 ※会期中展示替あり
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間:10:00~18:00(金および11月9日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(11月5日は18:00まで開館)
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(東京都美術館

 上野の東京都美術館で「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」が9月19日に開幕した。レポート記事はこちら

 自らの芸術の探究に生涯を捧げた画家・田中一村(1908〜1977)。本展は、絵画作品を中心に、スケッチ・工芸品・資料を含めた250件を超える作品で、一村の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌を紹介する大回顧展となる。

会期:2024年9月19日〜12月1日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00) ※入室は閉室の30分前まで
休館日:月(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日、10月15日、11月5日
料金:一般 2000円 / 大学・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1500円 / 高校生以下無料

芝浦工業大学 交流プラザプロジェクト 第3回 建築家展「PAPER SANCTUARY~ウクライナ難民の現実と詩~ 坂茂」(芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念校友会館交流プラザ)

 芝浦工業大学豊洲キャンパスの有元史郎記念校友会館交流プラザで、第3回 建築家展「PAPER SANCTUARY~ウクライナ難民の現実と詩~ 坂茂」が9月20日より開催される。

 本展では、坂茂が災害時の避難所で家族ごとのプライバシーを守るために考案し、2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻により近隣国(ポーランド、スロバキア、フランス)へ避難した難民のために設置した紙の間仕切りシステム(Paper Partition System、PPS)を使い、難民の人々の詩と写真を展示。展示の最後には、学生も加わった支援活動を含む世界中の災害支援活動やボランティア活動と両立して設計された建築作品も展示される。

会期:2024年9月20日~10月20日
会場:芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念校友会館交流プラザ
住所:東京都江東区豊洲3-7-5
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:無料

「生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」(世田谷美術館

名古屋市美術館での展示風景

 世田谷美術館で「生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」が9月21日より開催される。名古屋市美術館からの巡回。

 北川民次(1894〜1989)は20歳で渡米し、働きながら絵を学んだのち、革命後の壁画運動に沸く1920年代のメキシコで新進画家、そして教育者として出発した。帰国後は東京・池袋を経て愛知・瀬戸に居を定め、晩年まで精力的に活動を続けた。

 本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子供に向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画なども紹介。油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920〜30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる回顧展だ。

会期:2024年9月21日~11月17日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話番号:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日、10月15日、11月5日
料金:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学・小学生 500円

編集部

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