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「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」(サントリー美術館)開幕レポート。堪能するその多彩な手つき

風俗画の名手として知られる江戸時代の絵師・英一蝶(はなぶさいっちょう・1652~1724)の過去最大規模の回顧展が東京・六本木のサントリー美術館で開幕した。会期は11月10日まで。

文・撮影=安原真広(ウェブ版「美術手帖」副編集長)

展示風景より、《雨宿り図屛風》メトロポリタン美術館

 江戸時代の絵師・英一蝶(はなぶさいっちょう・1652~1724)の過去最大規模の回顧展が東京・六本木のサントリー美術館で開幕した。会期は11月10日まで。

 一蝶は元禄年間(1688~1704)前後に、江戸を中心に活躍。はじめは狩野探幽の弟・安信に師事したが、菱川師宣や岩佐又兵衛らに触発され、市井の人々を活写した独自の風俗画を生み出した。元禄11年(1698)には47歳で三宅島に流罪になったが、島で描かれた作品は「島一蝶」と呼ばれ、とくに高く評価されている。

展示風景より、《舞楽図・唐獅字図屏風》メトロポリタン美術館

 本展は2009年の「一蝶リターンズ ~元禄風流子 英一蝶の画業~」(板橋区立美術館)以来、15年ぶりの回顧展。ユーモアあふれる戯画から、狩野派絵師としての高い技量をうかがわせる謹直な作品まで、一蝶の活動を包括的に紹介する展覧会となる。

展示風景より、《雑画帖》

編集部

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