国立新美術館は、独立行政法人国立美術館に属する国立美術館の5番目の施設として、2007年に東京・六本木に開館。コレクションを持たない代わりに、人々が様々な芸術表現を体験し、学び、多様な価値観を認め合うことができる「アートセンター」として、つねに先端的な分野の展覧会を行うことに力を入れてきた。ファッション、デザイン、建築のほか、マンガやアニメなどの分野に関しても、2015年の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展の開催以来、積極的に取り上げてきた。同展をアジア圏に巡回させ、2018年に「MANGA⇔TOKYO」(パリ、ラ・ヴィレット)で自主企画展を開催するなど、海外への発信も自発的に行っている。筆者は、2017年から当館の海外プロジェクトに関わり、現在は主にマンガを専門とした研究員(キュレーター)として勤務している。
今回の「CLAMP展」は、CLAMPの大規模な個展を美術館で開催したいという構想を温めていた出版社サイドからのオファーにより実現した。CLAMPはマンガ史的に重要な作家であることは間違いなく、いまもなお最前線を走り続ける作家であり、また海外での評価も高い。じつは以前から個人的にいつか展覧会を開催できたらと思っていた作家だった。オファーの時点では展示内容は決まっていなかったため、国立新美術館も企画に関わり、出版社を中心とする製作委員会のメンバーと一緒に展覧会をつくっていくことになった。
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