
「翻訳」に潜む摩擦や欲望をいかにとらえるか。大岩雄典評「トランスレーションズ」展
「翻訳」をコミュニケーションのデザインとしてとらえ、情報学研究の立場からドミニク・チェンが企画した本展。「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」としての翻訳の可能性を考えようとする挑戦的な内容を、物語論や言語哲学への関心を軸として制作する、アーティストの大岩雄典がレビューする。

「翻訳」をコミュニケーションのデザインとしてとらえ、情報学研究の立場からドミニク・チェンが企画した本展。「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」としての翻訳の可能性を考えようとする挑戦的な内容を、物語論や言語哲学への関心を軸として制作する、アーティストの大岩雄典がレビューする。

今週スタートした展覧会と1月17日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

今年2月に初開催される予定だったアートフェア「Art Collaboration Kyoto」の開催延期が発表された。新型コロナウイルス感染拡大の影響。

京扇子の老舗「宮脇賣扇庵」が、新たなブランド「バナナとイエロう」を設立。現代のライフスタイルにあわせた扇子の新しいあり方を発信し、大竹伸朗などアーティストをゲストに迎えたコラボレーションアイテムも販売する。

コミックスのデジタル版を含む累計発行部数が2000万部を突破し、アニメ第2期の放送も始まった『呪術廻戦』。その第1期オープニングにはとある美術作品が登場していたことをご存知だろうか?

19世紀フランスを代表するレアリスム(写実主義)の巨匠、ギュスターヴ・クールベが描いた海をテーマに、同時代の画家たちが描いた風景画も展観する特別展「クールベと海 ─フランス近代 自然へのまなざし」がパナソニック汐留美術館で開催される。会期は4月10日〜6月13日。

太田記念美術館は、緊急事態宣言の発出を受け、1月28日まで開催中の「和装男子ー江戸の粋と色気」展をオンラインでも展開。noteで全67点の作品画像などを有料公開している。

絵画、インスタレーション、ビデオなどによる多様なメディアを用いて、不可視なものに対する知覚を鑑賞者に疑似的に体験させる作品を制作するアーティスト・冨安由真。その新作インスタレーション展示が、横浜のKAAT 神奈川芸術劇場で始まった。

東京を中⼼に活躍する気鋭のアーティストたちが、世の中の「正解」を疑い、「タブー」に挑戦する。そんなPOP-UPアートフェア「Gallery of Taboo」が、1⽉14⽇〜2⽉28⽇の会期で東京・⽇本橋で開催される。

オーストラリアの女優ケイト・ブランシェットが、イギリスのイーストサセックス州にある私邸の敷地内にプライベート・ギャラリーを新たに建設することがわかった。

ニューヨークを拠点に活動しているアーティスト、ジョシュ・スミスの個展が、渋谷パルコ2階の「OIL by 美術手帖」ギャラリーで開催。絵画の歴史を深く意識しながら、自身の名前や魚などのモチーフを手描きした作品群を展示する。会期は1月15日〜26日。

東日本大震災から10年目を迎える今年3月。当時被災し臨時の避難所となった水戸芸術館で、「想像力の喚起」をテーマにアーティストの試みを紹介する「3.11とアーティスト:10年目の想像」が開催される。会期は2月20日~5月9日。

今年4月1日付で、長谷川祐子が金沢21世紀美術館の新館長に就任予定であることがわかった。現館長の島敦彦は3月末で退任する。

1月23日に開館を予定していた、フランスのアートコレクターのフランソワ・ピノーによる私設美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」(Bourse de Commerce)が、新型コロナウイルス変異種の影響でふたたび開館を延期。オープニング展の設置は完了し、来場者を迎える準備はできているという。

今年3月24日より国立新美術館で開催予定だった「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」の開催中止が発表された。新型コロナウイルス感染拡大によって、バチカンからの作品輸送が困難なためだという。

第2回
気鋭の脳科学者であり、東京藝術大学大学院博士課程でアートを学ぶなど、美術に対する見識が広い中野信子が、アートを脳科学の視点から分析。マーケットに精通したギャラリスト・山下有佳子とともに、様々な視点からアートやアートマーケットを語り尽くす(後編)。

ペインティングや彫刻を中心に、現代社会における自然と人間の境界線を問う作品を手がける平子雄一。その個展「GIFT」が、東京・天王洲のKOTARO NUKAGAで開催される。会期は1月23日〜2月27日。

1979年に開館して以来、約40年にわたって日本の現代美術シーンを牽引してきた原美術館が、1月11日をもって東京での活動を終えた。春以降、「原美術館ARC」として群馬で活動する同館。その今後について、原美術館館長の内田洋子に話を聞いた。

島根県立美術館で、建築家・菊竹清訓の仕事を振り返る展覧会「菊竹清訓 山陰と建築」が開催される。会期は1月22日~3月22日。

社会や権力、権威を皮肉る作品で知られるアーティスト、マウリツィオ・カテラン。その中国での初個展「Maurizio Cattelan:The Last Judgment」が、北京のユーレンス現代美術センター(UCCA)で開催される。会期は11月20日〜2022年2月20日。