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心霊があらわれる条件。中島水緒評 「山本悠のそんなんユウたらあきまへん!3【緊急心霊特番】」

TALION GALLERYで開催された温田山、NAZE、大岩雄典による「一番良い考えが浮かぶとき」展。その関連動画としてYouTubeにて公開された本作は、会期中にあらわれた霊に、イラストレーターの山本悠と、大岩が迫るというもの。いくつもの伏線を抱えた本作の謎解きに、美術批評家の中島水緒が挑戦する。

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「皮膚」から浮き上がる命のありよう。北澤ひろみ評「瞬く皮膚、死から発光する生」展

石内都、大塚勉、今道子、髙﨑紗弥香、田附勝、中村綾緒、野口里佳、野村恵子。それぞれの作品世界も、世代も異なる8作家の新旧作品を「皮膚」というキーワードで組み合わせた企画展。厳選された作品群が描き出す“光と闇”、“生と死”の気配は、いま我々に何を想起させるだろうか? これまで写真展も多く手がけてきた、アーツ前橋学芸員の北澤ひろみが批評する。

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アート業界のジェンダーアンバランスに対する応答。檜山真有評「カナリアがさえずりを止めるとき」

男性優位構造のアート界に横行するジェンダーアンバランスや相次ぐハラスメント。この状況に対し、岩崎貴宏企画のもと16組のアーティストが展覧会というかたちで声を上げた。「カナリアがさえずりを止めるとき」と題された本展を、キュレーターの檜山真有がレビューする。

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出力されたかたちが喚起するもの。長谷川祐子評 アンジュ・ミケーレ「イマジナリウム」

2020年6月から7月にかけて東京・六本木のシュウゴアーツにて開催された、アンジュ・ミケーレの個展「イマジナリウム」。 アルミの紙に円を描いたシリーズ「circle」を始め、24点近くの新作絵画がコロナ禍で発表された。同展が提示した精神性とこれからの時代への希望を、キュレーターの長谷川祐子がレビューする。

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コロナ禍においてダグ・エイケン《New Ocean: thaw》が投げかけるものとは?

写真、彫刻、建築的介入からビデオ作品、インスタレーションまで多岐にわたる作品を手がけることで知られるアーティスト、ダグ・エイケン。その個展が、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催されている。本展で展示されるのは、映像インスタレーション《New Ocean: thaw》。自然の氷河などをモチーフにしたこの作品が、現代に問いかけるものとは?

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その空間は、物語や妄想を発生させない。檜山真有評 武田雄介「眺望力」

写真や映像、立体など様々なメディアを組み合わせたインスタレーション・アートを手がける武田雄介。「暴力的な現在を暴力的に切断」する試みとして開催された個展「眺望力」は、見る者にどのような洞察を促しただろうか。本展をキュレーターの檜山真有がレビューする。

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旅と協働の作家が示す、ウィズ・コロナ時代のコラボレーティブ・アート。山本浩貴評「小沢剛展 オールリターン」

今年開館した弘前れんが倉庫美術館にて、開館記念プログラムとして小沢剛による個展が開催されている。フィクションを織り交ぜ歴史上の人物をめぐる物語を描く「帰って来た」シリーズが一堂に会した本展を、文化研究者の山本浩貴がレビューする。

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ゼロ地点から向かいます──放蕩娘たちのストリーク 松井茂評「都市のみる夢」

東京都美術館で開催された「都市のみる夢」は、アーティスト・コレクティブ「tmyc」による企画だ。都市に暮らす人々を「都市のみる夢」の住民ととらえ、中島りかとミズタニタマミがインスタレーション群「夢の蒐集」を披露した。詩人で情報科学芸術大学院大学(IAMAS)准教授の松井茂が、同展のカウンター・エキシビジョンとしての性格をレビューする。

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ある場所が歴史に組み込まれるとき。鈴木萌夏評「佐賀町エキジビット・スペース 1983-2000 現代美術の定点観測」

群馬県立近代美術館で「佐賀町エキジビット・スペース 1983-2000 現代美術の定点観測」展が開催されている。本展は、小池一子が主宰したオルタナティブ・スペースの先駆け「佐賀町エキジビット・スペース」を、会場風景や実際の出展作品から振り返るもの。あるスペースを歴史化することの意義と問題を、研究プロジェクト「レントゲン藝術研究所の研究」などを行う鈴木萌夏が論じる。

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アウシュビッツ、コロナ禍、絵画。小林正人評 松下まり子「居住不可能として追放された土地」展

絵画を中心に多様なメディアを用いながら、生や性のありようを表現してきた松下まり子。本展で発表した2019年後半から描き始めたという新作絵画には、ポーランドのアウシュヴィッツ博物館を訪れた経験や、コロナ禍における変化が大きな影響を与えているという。松下が2016年「第2回CAFAA賞」最優秀賞を受賞した際に審査員を勤めた画家の小林正人は、本展をどう見たか。

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「個」と「公」を仲立ちし、たぐり寄せる。小田原のどか評「加藤翼 Superstring Secrets」展

「国家安全法」の可決直前の香港や東京オリンピック・パラリンピック会場近くを舞台に個人の「秘密」を集め、それを作品化する「Superstring Secrets」プロジェクトを手がけた加藤翼。このプロジェクトを大がかりなインスタレーションによって見せた無人島プロダクションでの個展「Superstring Secrets」を、小田原のどかがレビューする。

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絵画空間を遊戯の場として開く。中島水緖評 鹿野震一郎「logs」

サイコロ、トランプ、フィギュア、髑髏、月、そしてピラミッド。同じモチーフを繰り返し描き、イメージの次元やスケールを自在に変換しながら遊びの輪を広げていく鹿野震一郎。Satoko Oe Contemporaryにて「logs」と題した個展を開催した作家の時系列を揺さぶる絵画について、美術批評家の中島水緒がレビューする。

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親密圏を生きる私たちへ。飯岡陸評 斎藤玲児個展「24」+「新・今日の作家展2020 再生の空間」

今年3月にオープンした新スペース「LAVENDER OPENER CHAIR」にて開催された斎藤玲児個展「24」と、横浜市民ギャラリーにて開催された地主麻衣子と山口啓介の2人展「新・今日の作家展2020 再生の空間」。コロナ禍に制作され、発表されたそれぞれの作品について、医療人類学者アネモリー・モルによる著書『ケアのロジック』を手がかりに、キュレーターの飯岡陸がレビューする。

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高温の熱のように広がる「エピソード」。椹木野衣評 ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」

ラクス・メディア・コレクティブをアーティスティック・ディレクターに迎え、コロナ禍における国際芸術祭としてはいち早く開催されたヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」。前例のない状況のなか、ひとつのテーマではなく複数のソースを重視し、トリエンナーレを長い時間のなかでとらえる試みについて椹木野衣がレビューする。

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作業員の死をいかにして「供儀」しうるか。布施琳太郎評「芸術競技」+竹内公太「Body is not Antibody」展

 今夏開催された、「芸術競技」「Body is not Antibody」というふたつの展覧会の共通項として「作業員の死」を見出した美術家の布施琳太郎。林道郎による、ボードリヤール『象徴交換と死』を論じた書物から、「アナグラム」「供養」といったキーワードを抽出し、それぞれの作品について、原発や東京オリンピックの背後に浮き上がる「死」の存在を結びつけながら論じる。

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それぞれの世界を映し出す鏡としての。小金沢智評「イラストレーションがあれば、」

社会と密接につながり、時代の精神や思想を映し出す「イラストレーション」。中世の彩飾写本や16世紀の世界地図、現代のポスターまでが一堂に会した「イラストレーションがあれば、」は、イラストレーションを多角的に考察した展覧会であった。「イラスト」という略語が社会に浸透した日本において、イラストレーションの原理とは何か? その豊かさをキュレーターの小金沢智が論じる。

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