
反復する空間とその奥行き、あるいは思索の世界。飯岡陸評 木村友紀「Reception」展
写真や映像、立体などを用いて、空間や時間、次元をテーマにしたインスタレーション形式の作品を発表してきた木村友紀。日本では4年ぶりとなる個展「Reception」では、時間や物質、イメージについての思索を展示空間へとひろげた。本展の新作インスタレーションを、キュレーターの飯岡陸が読み解く。

写真や映像、立体などを用いて、空間や時間、次元をテーマにしたインスタレーション形式の作品を発表してきた木村友紀。日本では4年ぶりとなる個展「Reception」では、時間や物質、イメージについての思索を展示空間へとひろげた。本展の新作インスタレーションを、キュレーターの飯岡陸が読み解く。

美術館やギャラリーの展示空間そのものを再考する作家・菅亮平。その新作個展「Cube with eye」が、9月28日までswitch pointにて開催中。

日本の1960年代のポップ・アートを代表する画家・岡本信治郎を中心とした絵画プロジェクト「地球・爆」。戦争をテーマとした同プロジェクトによる、200メートルを超える絵画連作を一挙公開する展覧会「地球・爆―10人の画家による大共作展」が、愛知県美術館で開催される。会期は11月1日~12月15日。

ヴォーン・スパンの個展「Scorched Earth and The Weeping Sun(焼け焦げた地球と涙する太陽)」が、東京・麻布のカイカイキキギャラリーで開催される。会期は9月21日まで。

写真家・川内倫子の個展「When I was seven.」が、東京・青山のアニエスベー ギャラリー ブティックで開催されている。会期は10月20日まで。

壊れたものや拾い集めたものを「なおす」ことを主題に、一貫した表現活動を行ってきたアーティストの青野文昭。その個展「青野文昭 ものの, ねむり, 越路山, こえ」が、せんだいメディアテークで開催される。本展では、市民の提供によるタンス数十棹を用いた巨大な新作インスタレーションも発表。会期は11月2日~2020年1月12日。

熊本県津奈木町の「つなぎ美術館」が現代美術家の柳幸典とタッグ。「柳幸典つなぎプロジェクト」と題して、住民が実行委員となり、出展作家の柳と学芸員らとともに、同館の開館20周年にあたる2021年に開催される大型個展に向けたプロジェクトに取り組んでいる。今回、同プロジェクトの3年間の取り組みのプロローグとなる展覧会「柳幸典つなぎプロジェクト プロローグ」が始まった。会期は9月14日~11月24日。

浅間山麓の豊かな自然を抱く御代田町で、アートフォトに特化した新しい芸術祭「浅間国際フォトフェスティバル」が9月14日に開幕した。「五感を刺激する写真体験」をコンセプトにしたフェスティバルでは、自然に恵まれた環境で、屋内外の時代を超えた写真展示を楽しめる。その様子をレポートで紹介する。

音楽とアートを柱に、公演や展示、ワークショップや公募によるレジデンス・プログラムなど多彩なプログラムを展開する「アッセンブリッジ・ナゴヤ」が11月10日まで開催中だ。名古屋港~築地口エリア一帯で2016年にスタートし、今年で4回目を迎えるこのフェスティバル。今回はそのなかから、6組のアーティストが参加する現代美術展「パノラマ庭園―移ろう地図、侵食する風景―」を中心に見どころを紹介する。

森美術館で開催されている大規模個展「塩田千春展:魂がふるえる」が、9月12日時点で入館者数45万人を突破した。

1910年から60年ごろにかけて続いた日本美術におけるアジア憧憬が、その後どのように深化されたかをたどる展覧会「アジアのイメージ 日本美術の『東洋憧憬』」が、目黒の東京都庭園美術館で開催される。会期は10月12日~2020年1月13日。

大庭大介、鬼頭健吾、今西真也、大久保紗也、小谷くるみ、和田直祐によるグループ展「大鬼の住む島」が、東京都文京区のWAITINGROOMで開催される。会期は9月21日〜10月20日。

グレゴール・シュナイダーとやなぎみわ。参加作家がこのふたりだけという異例の芸術祭「アート・プロジェクトKOBE 2019:TRANS- 」が、ついに神戸で開幕した。ともに新作を揃えた会場より、見どころをお届けする。

建て替え前の戸田建設本社ビル(東京・京橋)で開催されている、アーティストの藤元明の企画によるアートイベント「TOKYO 2021」。建築展に続き、9月14日からキュレーターに黒瀬陽平、会場設計に西澤徹夫を迎えた美術展が始まった。日本の未来の展望を試みる美術展、そのハイライトをお届けする。

あいちトリエンナーレ2019の一企画「表現の不自由展・その後」においても展示されていた、小泉明郎の「空気」シリーズ。同シリーズのひとつである《空気 #11》の常設展示が、東京・歌舞伎町のダイニングバー「麦ノ音」でスタートした。

今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

秋は美術館の大型展覧会が目白押しのシーズン。日本各地で行われるジャンル豊富な展覧会のなかから、編集部注目の13の展覧会を会期順に紹介する。

最低限の要素である「線」を追った絵画を手がけるアーティストの本山ゆかりによる個展「その出入り口(穴や崖)」が、東京・六本木のYutaka Kikutake Galleryで開催される。会期は9月14日〜10月19日。

梶本レイカは鬼才のマンガ家である。男性同士の性愛とロマンスや、実在の事件をもとにしたサスペンス、さらにホラー、ノワール、ヤクザものといった様々な要素を内包しながら、独自の表現へと昇華する。 BLレーベルから『高3限定』『コオリオニ』などのコミックス刊行を経て、2016年より青年誌『ゴーゴーバンチ』で『悪魔を憐れむ歌』の連載を開始。クライムサスペンスである本作は、帯の推薦文を映画評論家の町山智浩やライムスター・宇多丸、暴力団関連の著作で知られるライターの鈴木智彦が担当するなど、多方面で熱い支持を得ている。暴力が物語をドライブさせ、社会のはみ出し者が跋扈するなか、圧倒的な筆致で描かれる「痛み」と「救済」。過激な表現を使いながら人間同士の関係性にフォーカスする梶本作品には、現代社会に寄る辺なさを覚える読者を、せめてマンガの世界で抱きとめるようとするかのような誠実な手つきが宿る。 そんな梶本レイカの作品世界に迫る、2本の論考をお届けする本企画。今回はサブカルチャーにも造詣が深い詩人の川口晴美が、BLというジャンルを生かして表現された『コオリオニ』における、主人公たちの関係性のあり方を論じる。

神戸の六甲山で2010年より毎年秋に開催されている芸術祭「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」が、今年10回目の開催を迎えた。節目との年となる今回は、全11会場で42組のアーティストが参加。六甲の歴史を踏まえた作品などが揃う今年の見どころをお届けする。