2019.12.3

小田原のどか、長谷川新らが寄稿。彫刻をめぐるテキストを「読む」展覧会「彫刻書記展」が開催

彫刻をめぐる書き下ろしテキストのみで構成された展覧会「彫刻書記展」が、四谷未確認スタジオで開催されている。本展には彫刻の専門家だけでなく、キュレーターや美術批評家、アーティストなど16名が寄稿する。会期は11月29日〜12月15日。

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 彫刻をめぐるテキストを「読む」展覧会「彫刻書記展」が、四谷未確認スタジオで開催されている。会期は11月29日~12月15日。

 自身も彫刻家である鈴木操の企画による本展は、「彫刻」がたどった複雑な歴史と批評を現代的な観点から問い直し、リソースとして共有できる空間の創出を試みるもの。会場では書き下ろしテキストのみが公開され、鑑賞者はそれらを空のフラットファイルに入れて持ち帰ることが可能。展覧会の内容をあらゆる場所へ持っていくことのできるモビリティ性も、ひとつのテーマとなっている。

 寄稿者は遠藤麻衣、大岩雄典、小田原のどか、利部志穂、齋藤恵汰、gnck、柴田英里、鈴木操、関真奈美、高橋銑、土屋誠一、長谷川新、原田裕規、布施琳太郎、眞島竜男、峯村敏明の16名。「彫刻のありえたはずの形式・様式の発掘」「彫刻に託されている社会的・政治的な理念の受容状況」「グローバル化と都市空間における彫刻の速度」「デジタル表現以後の彫刻の可能性」といったトピックで、従来語られてきた「彫刻」を起点に、様々な角度からその思考に光を当てる。

 従来の展覧会が持つ「観る」という経験を「読む」へ書き換え、「彫刻」を描写するボキャブラリーを新たに培養・蓄積する場の構築を目指す本展。会期中には読書会やトークイベントも予定されているため、こちらもあわせてチェックしたい。