日本初の「ピーター・ドイグ展」、最新作まで約70点が出品

2020年、もっとも注目すべき展覧会のひとつである「ピーター・ドイグ展」。日本初個展となる本展では、初期作から最新作まで約70点が出品される。会期は2月26日〜6月14日。

 

ピーター・ドイグ スキージャケット 1994 キャンバスに油彩 295×351cm テート蔵 (C)Peter Doig. Tate: Purchased with assistance from Evelyn, Lady Downshire's Trust Fund 1995. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 現代美術の世界でフロントランナーとして活躍を続けるピーター・ドイグ。その日本初の大型展覧会「ピーター・ドイグ展」(東京国立近代美術館)の詳細が発表された。

 ピーター・ドイグは1959年スコットランド⽣まれのアーティスト。90年にロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで修⼠号を取得後、94年に「ターナー賞」にノミネート。以降、テート(ロンドン、2008 )やスコットランド国⽴美術館(エジンバラ、2013)、分離派会館(ウィーン、2019)など、世界各国の美術館で個展を開催してきた。

ピーター・ドイグ ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ 2000-02 キャンバスに油彩 196×296cm シカゴ美術館蔵 ©Peter Doig. The Art Institute of Chicago, Gift of Nancy Lauter McDougal and Alfred L. McDougal, 2003. 433. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家として知られるドイグ。その作品はマーケットでも高い評価を得ており、代表作のひとつ《のまれる》は、2015年のクリスティーズで、約2600万USドル(当時約30億円)で落札されている。

ピーター・ドイグ のまれる 1990 キャンバスに油彩 197×241cm ヤゲオ財団蔵 ©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 2020年2月26日に開幕する本展は、「森の奥へ 1986〜2002年」「海辺で 2002年〜」「スタジオのなかでーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ 2003年〜」の3章構成。年代順の構成であるとともに、第3章ではドイグがトリニダード・トバゴ出身の友人のアーティスト、チェ・ラブレスと2003年より始めた映画の上映会「スタジオフィルムクラブ」に焦点を当てる。

 会場に並ぶのは、幅3メートルを超える巨大な絵画《スキージャケット》(1994)や、小津安二郎の映画『東京物語』の「計算された静けさ」を念頭に置いて描かれたという作品《ラペイルーズの壁》(2004)など、約70点。

ピーター・ドイグ ラペイルーズの壁 2004 キャンバスに油彩 200×250.5cm ニューヨーク近代美術館蔵 ©Peter Doig. The Museum of Modern Art, New York. Gift of Anna Marie and Robert F. Shapiro in honor of Kynaston McShine, 2004. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 加えて、ドイグが「スタジオフィルムクラブ」のために描いた直筆ポスターが日本初公開。ドイグの視点から見た『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『座頭市』『お熱いのがお好き』などの名作のポスターも楽しめる。

 なお会期中の3月1日には、ドイグ本人によるトークイベントも開催予定。この貴重な機会もチェックしてほしい。

ピーター・ドイグ ストレンジャー・ザン・パラダイス(「スタジオフィルムクラブ」より) 2011 紙に油彩 93.5×61.5cm マイケル ヴェルナー ギャラリー蔵 ©Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019

編集部

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