現代美術の世界でフロントランナーとして活躍を続けるピーター・ドイグ。その日本初の大型展覧会「ピーター・ドイグ展」(東京国立近代美術館)の詳細が発表された。
ピーター・ドイグは1959年スコットランド⽣まれのアーティスト。90年にロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで修⼠号を取得後、94年に「ターナー賞」にノミネート。以降、テート(ロンドン、2008 )やスコットランド国⽴美術館(エジンバラ、2013)、分離派会館(ウィーン、2019)など、世界各国の美術館で個展を開催してきた。
ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家として知られるドイグ。その作品はマーケットでも高い評価を得ており、代表作のひとつ《のまれる》は、2015年のクリスティーズで、約2600万USドル(当時約30億円)で落札されている。
2020年2月26日に開幕する本展は、「森の奥へ 1986〜2002年」「海辺で 2002年〜」「スタジオのなかでーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ 2003年〜」の3章構成。年代順の構成であるとともに、第3章ではドイグがトリニダード・トバゴ出身の友人のアーティスト、チェ・ラブレスと2003年より始めた映画の上映会「スタジオフィルムクラブ」に焦点を当てる。
会場に並ぶのは、幅3メートルを超える巨大な絵画《スキージャケット》(1994)や、小津安二郎の映画『東京物語』の「計算された静けさ」を念頭に置いて描かれたという作品《ラペイルーズの壁》(2004)など、約70点。
加えて、ドイグが「スタジオフィルムクラブ」のために描いた直筆ポスターが日本初公開。ドイグの視点から見た『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『座頭市』『お熱いのがお好き』などの名作のポスターも楽しめる。
なお会期中の3月1日には、ドイグ本人によるトークイベントも開催予定。この貴重な機会もチェックしてほしい。