
第87回
「新潟」の歴史を解く。 椹木野衣が見た「水と土の芸術祭」
2015年7月18日~10月12日、新潟市全域で「水と土の芸術祭」が開催されました。四大公害病のひとつである「新潟水俣病」が発生してから、ちょうど50年。芸術祭は、私たちにどんな新しい観点をもたらしたのか? 椹木野衣が、髙橋伸行の展示「旅地蔵─阿賀をゆく─」から「水と土」の芸術祭の意義の核心に迫る。

第87回
2015年7月18日~10月12日、新潟市全域で「水と土の芸術祭」が開催されました。四大公害病のひとつである「新潟水俣病」が発生してから、ちょうど50年。芸術祭は、私たちにどんな新しい観点をもたらしたのか? 椹木野衣が、髙橋伸行の展示「旅地蔵─阿賀をゆく─」から「水と土」の芸術祭の意義の核心に迫る。

第3回
社会や歴史に介入した作品を多く発表し、近年では共産主義への関心も示すアーティスト・丹羽良徳。そんな丹羽による新刊、『歴史上歴史的に歴史的な共産主義の歴史』と、『過去に公開した日記を現在の注釈とする:天麩羅』が、2015年9月に発売された。

第1回
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第1回を飾るのは、恋愛や結婚を中心に、独特な「性」のパラレルワールドを描く小説家・村田沙耶香(むらた・さやか)の『消滅世界』。彼女の小説に登場する生命やセクシャリティに関するさまざまな行為には、現実の世界とどのような連関が見出せるのでしょうか。小説で描かれた場所を歩きながら、作家の想像力に迫ります。

子どもたちにとって、大人たちにとっても美術館とはどんな場所だろう? もしくは、どんな場所になりうるだろう?今夏の東京都現代美術館の子どもを主題にした本展(7月18日〜10月12日)では、4組のアーティストが「ここではない」もうひとつの世界の入り口を示す場所をつくりあげた。しかし、開幕直後に会田誠と会田家の作品に対して美術館と東京都が撤去・改変を要請したことで、世間を賑わせたのち、要請を撤回するという騒動に注目が集まってしまった。ここでは担当キュレーターにこの展覧会の企画意図を寄稿してもらった。改めて、この展覧会が今の社会に投げかけた、「美術の力」について向き合ってみたい。

第86回
2015年5月26日〜9月13日に開催された、東京国立近代美術館「MOMATコレクション特集:誰がためにたたかう?」展。「たたかい」を表現した作品たちは、どのような役割を果たしているのか? 椹木野衣が、その本質に迫る。

第2回
フリージャーナリストのダニエル・グラネとカトリーヌ・ラムールによる、市場の仕組みにせまった、アート・ビジネスに関する記録書『巨大化する現代アートビジネス』。2010年にフランスで刊行された本書の、日本語版が刊行された。

2000年代後半よりアート界を賑わす匿名のストリート・アーティスト、バンクシーが手がける「ディズマランド」。某有名テーマ・パークを風刺しているこの「陰鬱ランド」の実態と批評性を、現地に足を運んだアーティスト・大山エンリコイサムが分析する

静岡県のIZU PHOTO MUSEUMで開催中の「戦争と平和──伝えたかった日本」展。最終回の第3回は、写真家たちの戦後の仕事を紹介します。

静岡県のIZU PHOTO MUSEUMで開催中の「戦争と平和─伝えたかった日本」展。連載の第2回は、戦局が悪化していく戦争後期から敗戦まで、国民に向けたプロパガンダの役割を担った写真家の仕事を紹介します。

静岡県のクレマチスの丘にあるIZU PHOTO MUSEUMにて「戦争と平和──伝えたかった日本」展が開催中です。『美術手帖』9月号、戦後70年の企画として特集した「絵描きと戦争」内でも紹介しました。1000点余の写真やグラフ雑誌で構成されたこの展覧会、本誌では伝えきれなかった見どころがたくさんあります。名取洋之助、木村伊兵衛、土門拳ら日本の写真界を代表する写真家たちの仕事を、1930年代から50年代の戦前、戦中、戦後と連続して見ることで、知られざる写真史が浮かんでくるのです。本誌特集の番外編として、「写真家と戦争」をテーマに、同館研究員の小原真史さんの案内で、3回にわたって展覧会を紹介します。

第85回
豊島区立熊谷守一美術館で、2015年5月15日〜6月28日の初夏、「熊谷守一美術館30周年展」が行われた。その大胆な色彩と線の組み合わせは、野獣派や分割主義を彷彿とさせる。晩年の浮世離れした生活から「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一。油絵、墨絵、書など合わせて100点以上が集う会場で、美術批評家・椹木野衣が思うこととは?

第1回
「戦争」を入り口として執筆活動を始めた椹木野衣と、美術史の中で触れられることのなかった歴史を皮肉的に表現する会田誠による戦争についての対談集が、2015年6月に発売された。美術的観点からはもちろん、戦時下という環境の中で人々がどのような思想を持っていたのかということについて、改めて考えさせられる一冊だ。

初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスと、アフリカ大陸で混乱の歴史を辿ってきたコンゴ。 一見接点を発見しづらい両者に、<strong>ヤン・ファーブル</strong>は「遺伝子的なつながり」を見出す。 そこには、21世紀に生きる「中世の芸術家」を自称する彼の原点に根ざす眼差しがあった。

「学んでいる人」が主役となるアートイベント「學展(万国學生藝術展覧祭2015)」が東京ビッグサイトにて開催されました。今年で2度目の開催となるこのイベントに、8月8、9日の2日間で、約700の出展団体と約6,000名の来場者が訪れました。【PR】

学んでいる人なら誰でも出展できる「万国學生藝術展覧祭2015」、通称「學展」。今年で2回目を迎える學展は、大型アートイベント「デザインフェスタ」の姉妹イベント。夏休みまっただ中の開催初日、現場から速報をレポートします。【PR】

中国・北京を拠点に2008年より写真家として活動し、各地で展覧会を行っているレン・ハン。ヌードの男女をモデルとした写真が注目を集め、ファッション誌でも活躍中の、彼の日本初個展が開催されている。そこで、今回は『美術手帖』2015年8月号に掲載された、彼の写真集『NEW LOVE』についての記事を紹介する。

医療機関や福祉施設などで心理療法として行われるアートセラピー。通常は患者や施設利用者が対象になりますが、4月某日、このアートセラピーによって学生の交流をうながすワークショップが行われました。会場となったのは東京・原宿にあるデザインフェスタギャラリー。「万国學生藝術展覧祭2015(通称、學展)」に出展する学生を中心に、16名の参加者が集まりました。【PR】

サカナクションがオーガナイズする音楽・アートの複合イベント「NIGHT FISHING」(7月2日〜3日、恵比寿LIQUIDROOM)。前編では、その新たな試みのきっかけと真意を山口一郎に聞いた。この後編では、「NIGHT FISHING」のチャレンジから見える、未来の音楽のあり方について話してもらった。

ロックバンド・サカナクションが、音楽やアートの複合イベント「NIGHT FISHING」を、7月2日〜3日に恵比寿LIQUIDROOMで開催する。サカナクションがオーガナイズするパーティーの先にある、「新しい音楽」のかたちとは?

『美術手帖』2015年5月号で企画された若手作家特集「日本のアート、最前線!!」にて、Chim↑Pomを率いる卯城竜太の誌上キュレーションに選出されるなど、オルタナティブな領域から起きつつある日本の現代美術の地殻変動を象徴する作家のひとりとして、注目を集める中島晴矢。6月26日〜7月5日、TAV GALLERY(東京都・阿佐ヶ谷)で開催の個展「ペネローペの境界」にかける意気込みをインタビューした。