
粒子が交流し、はじめて成立する底なき世界。沢山遼評「特別展示:瑛九の部屋」
コラージュ、ガラス絵、フォトデッサン、版画、抽象絵画などの多面的な仕事を残し、周囲の作家たちからは天才と呼ばれながらも、日本の画壇の無理解に苦しみ続けた画家、瑛九。その最重要作品とも言える《田園》(1959)のみを暗室に展示し、鑑賞者が照明をコントロールしながら鑑賞できるという実験的な展示「特別展示:瑛九の部屋」が埼玉県立近代美術館で4月14日まで開催中だ。フォトデッサンから《田園》まで、瑛九の作品に通底する世界とは。美術批評家の沢山遼が読み解く。


















