注目のクリエイターを定期的に紹介する、銀座 蔦屋書店の展覧会シリーズ「ART PARTY」。初回の磯村暖に続き、第2回は「大正生まれの架空の三流画家」であるユアサエボシその人に擬態し、絵画作品を手がけてきたユアサエボシを取り上げる。
ユアサは東洋美術学校絵画科卒業後、2017年に岡本太郎現代芸術賞入選、18年に絹谷幸二賞を受賞。今年3月には個展「プラパゴンの馬」(EUKARYOTE)を開催するなど、近年ますます注目を集めている。
大正から昭和にかけて生きたであろう架空の無名画家を、現代の目から追いかけるという特異なコンセプトに基づくユアサの作品群。作家自身の死後、ユアサエボシが実在したという嘘を歴史のすき間に忍び込ませることを目論み、その詳細な人生のタイムラインと呼応するように制作を続けている。
本展では、ユアサエボシが幼少期に観たとされるサーカスの記憶をもとにした新作絵画《曲馬考》を発表。また、戦時下の子供たちが愛読した雑誌『少年倶楽部』を使ったコラージュや、瓦に進駐軍の似顔絵を描いた「GHQ POTRAITS」といったシリーズを見ることができる。