本江邦夫が70歳で逝去。美術界に大きな足跡を残す

府中市美術館館長や多摩美術大学名誉教授など美術界において様々な要職を担ってきた美術史学者・本江邦夫が6月3日、70歳で逝去した。

本江邦夫 提供=田野倉康一

 日本の美術界において、大きな足跡を残した美術史家・本江邦夫が6月3日に逝去したと多摩美術大学が発表した。享年70。

 本江は1948年愛媛県生まれ。73年に東京大学文学部美術史学科を卒業、76年には同大学大学院人文科学研究科西洋美術史学を修了した。同年から東京国立近代美術館で研究員として勤務し、主任研究員、企画・資料課長を経て94年から美術課長課長(98年まで)。98年に多摩美術大学美術学部で教授に就任し、その後同大大学院美術研究科長、理事を歴任。19年からは名誉教授となり、多摩美術大学美術館長を務めていた。

 いっぽう、2001年から09年までは府中市美術館で館長も務めたほか、「VOCA展」をはじめとする様々な審査にも携わってきた。2004年には『オディロン・ルドン-光を孕んだ種子』(みすず書房)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

 この突然の訃報に、SNS上ではその死を悲しむ声が多く上がっている。

 なお通夜は6月9日19時から、葬儀ミサ・告別式は翌10日10時からカトリック多摩教会で執り行われる。喪主は妻の本江敏子。

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