ギャラリーのためのギャラリー。フリーズの新スペース「No.9 コーク・ストリート」が目指すものとは?
世界でもっとも影響力のあるアートフェアのひとつを主催する、フリーズ。創立30年を迎える今年、ロンドンに初めて常設ギャラリー「No.9 コーク・ストリート」をオープンした。イギリスのアート史で欠かせない通りであるコーク・ストリートの歴史を振り返りつつ、フリーズの新たな挑戦について迫る。
世界でもっとも影響力のあるアートフェアのひとつを主催する、フリーズ。創立30年を迎える今年、ロンドンに初めて常設ギャラリー「No.9 コーク・ストリート」をオープンした。イギリスのアート史で欠かせない通りであるコーク・ストリートの歴史を振り返りつつ、フリーズの新たな挑戦について迫る。
作品が発表されるたびに世間の大きな注目を集める覆面アーティスト、バンクシー。有料の展覧会が世界各国で開催されているが、それらはバンクシー本人が合意していない「非公認」で「非公式」な企画で、作品を使ったグッズ販売も同様だ。本稿では、2回に分けてこの作家不在の“非公式シリーズ”について考える。第2回は、日本現代アート界の関係者はこの状況をどのように見ているのか話を聞いた。
『美術手帖』2021年12月号は「NFTアートってなんなんだ?!」特集。雑誌『美術手帖』編集長・望月かおるによる「Editor’s note」です。
福岡市のキャナルシティ博多にある、ナムジュン・パイクのビデオ・アート作品《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》。近年、機器の劣化によって上映を停止していたが、今年10月に修繕された。
数年間に渡って繰り広げられた横浜美術館の引越しは、想像を超えるハードな作業だった。前編に引き続き、横浜美術館学芸グループの庄司尚子、片多祐子、そして引越し動画について、教育普及グループの桜庭瑠実に話を聞いた
「異彩を、放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化を創ることをめざした福祉実験ユニットとして活動するヘラルボニー(HERALBONY )。その東京で初となる展覧会が、京橋のBAG-Brillia Art Gallery(バッグ ブリリア アート ギャラリー)で開催されている。彼らの活動から見える、新たなアートビジネスのかたちとは?
19世紀後半、浮世絵の衰退に危機感を覚えた版元・渡邊庄三郎が起こした「新版画」運動。その旗手となったのが、「旅情詩人」と称される川瀬巴水だ。スティーブ・ジョブズも愛した川瀬作品はいかに生まれ、「新版画」の世界を切り開いたのだろうか。
横浜美術館がYouTubeにアップした「美術館の裏側−作品の大移動」が話題を呼んでいる。この動画は開館以来初となる大規模改修工事のため、収蔵品を美術館の外に移動させるまでの一連の作業を約3分の動画にまとめたもの。コンパクトな動画のなかには、通常の美術館鑑賞者の想像を上回るダイナミックな世界が繰り広げられていた。美術館の引越しという大規模プロジェクトの実情に前後編で迫る。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。写真家・舞台作家の三野新による第一写真集から、社会と演劇をつなぐ実践を行ってきた高山明の『テアトロン』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。長谷川祐子の企画による展覧会『ジャパノラマ』の日本語版書籍から、日本のファッション、現代美術を中心とした若手のつくり手へのインタビュー集まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
『トップをねらえ!』や『新世紀エヴァンゲリオン』、そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『シン・ゴジラ』など数々のヒット作を手がけてきた庵野秀明。その活動の全貌を紹介する世界初の展覧会「庵野秀明展」が国立新美術館で開催されている。膨大な作品・資料によって構成されたこの展覧会を、『シン・エヴァンゲリオン論』(河出書房新社)著者の藤田直哉が読み解く。
フィンセント・ファン・ゴッホを代表するモチーフと言えば「向日葵」が思い浮かぶ人も多いだろう。しかしそれと同じようにゴッホが熱中した画題が「糸杉」だった。「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(東京都美術館)の出品作である《夜のプロヴァンスの田舎道》などを手がかりに、ゴッホの関心が向日葵から糸杉へと移っていった経緯をたどる。
熊本県南端に位置する津奈木町では、1984年よりアートによる町づくりが継続している。その拠点として開館したつなぎ美術館も開館20周年を迎え、3年に及んだ現代アーティスト柳幸典による地域プロジェクトの集大成を今年発表。柳の発案により、写真集『MINAMATA』を遺したユージン・スミスの写真展も開催中のほか、いくつも並行してアートプロジェクトが進行している。
作品が発表されるたびに世間の大きな注目を集める覆面アーティスト、バンクシー。有料の展覧会が世界各国で開催されているが、それらはバンクシー本人が合意していない「非公認」で「非公式」なものだ。本稿では、2回に分けてこの作家不在の“非公式シリーズ”について考える。第1回では法的な合法性や問題点について、アートと著作権問題に詳しい弁護士・木村剛大に聞いた。
クラブカルチャーが深く根づいた都市、ドイツ・ベルリンだが、新型コロナウイルスでクラブも大きな打撃を受けた。こうしたなか、ベルリンを代表するクラブである「Berghain」と、プライベート・ミュージアムである「Boros Collection」が連携した展覧会「STUDIO BERLIN」を開催。この試みをレポートする。
美術館や動物園などを含む「博物館」を規定する法律「博物館法」。その改定に関する議論が文化庁に設置された文化審議会で進められている。登録博物館制度の改革が言及された7月30日公表の「博物館法制度の今後の在り方について(審議経過報告)」を、博物館学が専門の名古屋大学大学院教授・栗田秀法が読み解く。
『美術手帖』2021年10月号は「アートの価値の解剖学」特集。雑誌『美術手帖』編集長・望月かおるによる「Editor’s note」です。
美術館でカーボンニュートラルを実現するため、国際美術館会議(CIMAM)が発表した「美術館の実践における環境維持に関するツールキット」。この意義を、CIMAM会長で森美術館館長の片岡真実が説く。
今年3月から6月にかけて熊本市現代美術館で開催された企画展「段々降りてゆく 九州の地に根を張る7組の表現者」は、九州を拠点にする同時代の表現者7組を紹介する展覧会だった。しかし本展では、本来参加が予定されていた外山恒一が展示前に除外されるという事態が起こっていた。本件を起点に、参加作家のひとりである加藤笑平が美術館で展示することの意味を問う。
7月14日に逝去したフランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキー。その制作テーマや代表的なプロジェクトについて、親交があったサーペンタイン・ギャラリーのアーティスティック・ディレクター、ハンス・ウルリッヒ・オブリストが振り返る。※本稿は7月22日に「FRIEZE」にて初めて公開された。